Q&A2984 このような悲しみは2度と経験したくありません | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 35歳 AMH1.57 

1 4AA移植陰性、3AA移植陰性
2 着床の窓検査→ズレ有り
3 着床の窓を考慮した上で、初期胚(7G1→10G1)+胚盤胞(G2→6BA)で初めて着床(判定日のHCGは594)5w1dで胎嚢確認5.5mm→6wで胎嚢のみ13.3mm→7週で胎嚢のみ14.1mmでその後変わることなく稽留流産。流産胎児染色体検査の結果は女児正常の診断。そのため母体が原因かと思うのですが、不育症検査は既にしていて異常はありませんでした(NK活性が55%のため、移植時にイントラリピッド投与済み)。


①次の着床した対策として、IVIG、ピシバニール、プレドニンのどれが最適でしょうか。IVIGの場合は投与のタイミングもご教示頂きたいです。
②自己免疫疾患の潰瘍性大腸炎が持病です。不妊治療開始前に寛解しており、最低限の薬を服用していましたが、着床後少し状態が悪化しておりました。自己免疫が強く出たことにより、胎嚢を攻撃し成長を止めてしまった可能性はありますでしょうか。

このような悲しみは2度と経験したくないと思っています。できる対策はしていきたいので、お忙しい中恐れ入りますがご回答頂けますと幸いです。

 

A 

①リプロダクションクリニック では、原因不明不育症の対策として、IVIG、ピシバニール、プレドニンのいずれか、あるいは組み合わせを行っています。この領域にはエビデンスはありませんので、どれが一番良いかは明らかではありませんが、現在のところどれも同じような成績が出ています。

②自己免疫疾患の方も通常通り出産されます。(出ている抗体によって作用が異なりますが)自己免疫が強く出たことにより、胎嚢を攻撃し成長を止める可能性はないように思います。なお、潰瘍性大腸炎と不妊症・不育症との関連は報告されていません。

 

なお、このQ&Aは、約1ヶ月前の質問にお答えしております。