最近読んでよかった本 その126 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

最近読んでよかった本を簡単に紹介します。

なお、紹介の順番は五十音順にしています。

 

私のブログでは月2回本の紹介をしています。

何故本を紹介しているかについては、2016.9.29「「最近読んでよかった本」の新たな効能?「ニュートラルな気持ち」へ!」をご覧ください。

 

 

「砂漠」伊坂幸太郎

仙台の国立大学に入学し、出会った5人の男女のお話。何ごとにも冷めた「北村」、少し軽薄な「鳥井」、不思議な力が使える「南」、とびきり美人の「東堂」、極端に熱くまっすぐな「西嶋」。ボウリング、合コン、麻雀、通り魔犯との遭遇、捨てられた犬の救出、超能力対決などを通じ、共に経験した出来事や事件が、互いの絆を深め、それぞれを成長させてゆく。自らの未熟さに悩み、過剰さを持て余し、それでも何かを求めて手探りで先へ進もうとする青春時代。二度とない季節の光と闇をパンクロックのビートにのせて描く、爽快感溢れる長編小説。一気読み必至です。

 

 

「世界の終わり、あるいは始まり」歌野晶午

東京近郊で連続する誘拐殺人事件。誘拐された子供はみな、身代金の受け渡しの前に銃で殺害されており、その残虐な手口が世間を騒がせていた。そんな中「富樫修」は小学六年生の息子「雄介」の部屋から事件に関連するモノを見つけてしまう。息子が誘拐事件に関わりを持っているのか?そのとき父のとった行動は、、、一体?物語が進んでは戻り、進んでは戻りを繰り返す。2008年公開の映画「ネクスト」を彷彿とさせる、不思議感覚の作品です。

 

 

「総理の夫」原田マハ

「相馬凛子(りんこ)」が42歳の若さで、第111代総理大臣に選出された。鳥類学者の夫「相馬日和(ひより)」38才は、「ファースト・ジェントルマン(総理の夫)」として妻を支えることになる。日和はソウマグローバルの次男で、超マイペース男。日和が書く日記という形で物語が進む。暗躍する大物政治家「原久郞」や日和の母「相馬崇子」がちょっかいを出し、話がややこしくなるが、凛子は単なる初の女性総理大臣という立場ではなく、自らの信念に基づいて日本を真剣に変えていこうとする。ありそうでなかった女性総理大臣、楽しく読めます。2021年秋に映画化されました。

 

 

「時生」東野圭吾

不治の病を患う息子「時生」に最期が訪れつつある時、「宮本拓実」は20年以上前に出会った少年との想い出を妻に語りはじめる。拓実はろくに働きもせず、喧嘩早い若者で、その日暮らしの生活を送っていた。ある日、拓実は花やしきで自らを「トキオ」と名乗る不思議な少年と出会う。身寄りのないトキオのことをなぜか他人のように思えない拓実は、自身の住むアパートにトキオを居候させる。 拓実には千鶴という恋人がいたのだが、ある日突然、千鶴が姿を消してしまう。拓実とトキオは千鶴を追って大阪へ向かうのだが、、、千鶴が大きな事件に巻き込まれていることを知る。東野圭吾お得意のタイムスリップを描く本作品は、様々な人との出会いをきっかけに自らの人生と向き合い、人間として成長を遂げていく拓実とそれをサポートするトキオの親子愛を描いたものです。とても面白いです。

 

 

「ホテルジューシー」坂木司

大学二年の柿生浩美(ヒロちゃん)は、夏休みを利用して卒業旅行の資金稼ぎに沖縄那覇、国際通り裏手の寂れたホテル「ホテルジューシー」でバイトを始める。 ホテルジューシーは、やる気のないオーナー代理をはじめゆる〜い雰囲気で運営されている。 しっかり物で一本気のヒロちゃんにはそれが許せない。色々と首をつっこんでしまう。奮闘と出会いと笑いと涙と、ちょっぴりドキドキの日々。「シンデレラ・ティース」の叶咲子(サキちゃん)は、ヒロちゃんの親友で、同じ時期に歯医者さんでバイトをしていました。この姉妹編は、2021.3.6「最近読んでよかった本 その112」でご紹介しました。