Q リプロの顕微受精で女児を授かり、出産予定です。
現在は体外受精と顕微受精でできた受精卵をいくつか凍結保存しており、いつかは第2子の出産に向けて移植したいとは思っております。ただ、主人の精子無力症がありまして、もし男児を授かった場合の妊娠能力に影響があったら…と思うと、正直なところ、移植に迷いもあります。
以前、2016.10.14「顕微授精で生まれた男性の精液所見は良くない?」の記事で、「本論文は、顕微授精で生まれた男性の精液所見は、自然妊娠で生まれた男性の精液所見の1/2〜1/3であることを示しています。」と解説してくださいました。研究途上の分野ではあると思いますが、これに関連して、体外受精で生まれる男性の精液所見については、何か見解はあるのでしょうか。
体外受精と顕微受精には、自力で受精している精子と培養士さんが注入してくださる精子という違いはあると思いますが、体外受精の場合は、膣内・子宮内・卵管内を泳いでたどり着いた精子ではないので、やはり精液所見は自然妊娠と比べれば劣ってしまう部分はあるのではと考えてしまいます。
A 頭の良い子とかけっこが早い子が一致していることもありますが、必ずしも一致していません。精子も同様に、精子の頭にある遺伝子に問題がない精子と泳ぎが上手な精子が一致しているとは限りません。自然妊娠の場合には泳ぎの上手な精子が受精していると想像されますが、体外受精では卵子へ侵入する能力の高い精子が受精し、顕微授精では精子の形と泳ぎ方が良い精子を選んで授精させています。どの選び方も精子の遺伝子を直接見ている訳ではありませんから、受精方法で赤ちゃんの状態が変わるとは考えにくいと思います。
以前、2016.10.14「顕微授精で生まれた男性の精液所見は良くない?」の記事で顕微授精を取り上げているのは、顕微授精が必要な方(精液所見が良くない方)を対象にして、お子さんの精液所見と比較するのが目的です。体外受精で生まれたお子さんの精液所見についての研究の意味はあまりないものと考えられるため、このような研究は行われていません。
なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。