Q&A2914 卵管水腫と慢性子宮内膜炎について | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 38歳、AMH0.03 右卵管水腫、左(7cm)右(2cm)チョコレート嚢胞あり。
 

AMHが低いため現在貯胚中です(胚盤胞×1・前核期胚×3)移植は2回で4AAの胚が陰性。桑実胚で化学流産をしています。ERA・EMMA・ALICE検査ではEMMAがほぼ無菌という事以外異常なしでした。あと一回採卵にチャレンジして、卵管の切除手術とチョコの吸引・洗浄をして移植に進もうと思っています。

卵管水腫がある人は慢性子宮内膜炎になっている可能性が高いと聞きました。リプロでは採卵周期にビブラマイシンを先に服用し、採卵時にBCE検査をするというのをリプロに行かれている患者さんのブログで拝見しました。出来れば手術後、なるべく早く移植に進みたいです。そこで、卵管水腫の手術前ですが、今回の採卵周期にビブラマイシンを服用することは慢性子宮内膜炎に効果はあるのでしょうか。それとも、手術前に服用しても意味がないでしょうか。

現在通っているクリニックではBCE検査はしていませんので、総合病院での手術の際に一緒にやって貰えないかお願いするつもりです。総合病院が無理でしたら、遠方ですがリプロ大阪で検査をお願いしたいと思っております。その際は、手術後どれくらいで検査に伺ったら宜しいでしょうか。

 

A 卵管水腫の中に貯留した炎症成分を含んだ液体が子宮内に入って、慢性子宮内膜炎を起こすものと推測されます。したがって、卵管摘出を行う前に抗生剤を服用しても意味がありません。リプロでBCE検査をされるのでしたら、術後ビブラマイシンを2週間服用してからお越しいただくのが良いかと思います。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。