Q&A2910 第2子治療開始に向けて相談 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 2019年にリプロにて治療を行い、昨年第1子を出産する事が出来ました。他院にて3年不妊治療を行い2度の流産、年齢的にも金銭的にもこれが最後の治療と決め3回目の転院でリプロでの治療を決めました。


不育検査で基準値に満たない項目のビタミンDやヘパリン等対策を行い、2回の採卵で今まで結果が出なかった採卵数も増え、胚盤胞も複数出来、1度目の移植で無事元気な女の子を出産する事が出来ました。もう我が子は抱けないのではと思っていたので夢の様です。松林先生を始めリプロの皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

第2子治療開始に向けて松林先生のご意見を頂戴したく、いくつか質問させて下さい。
①前回2個移植で出産まで至りましたので、次回も同様が良いかと思いますが、残りの胚の移植はどの順番が良いでしょうか。
 1回目の凍結胚:3日目初期胚10G3、9G3、5日目G2、3AB
 2回目の凍結胚5日目4AB、3AB、3BB
*2回目4ABと前日融解の1回目G2を2個移植で妊娠・出産(灰色表示)。
②1回目の受精卵は精液所見が著しく悪く、2回目はサプリや運動も取り入れ改善しました。2回目の胚を優先した方が着床しやすい、又正常胚の確率は上がるのでしょうか。
③前回SEET法にて移植していますがSEET液が無い為、他の方法を行った方が良いでしょうか。流産となりましたが2度着床した際は何も行なっていません。
④治療再開時は断乳後に受診との事でしたが、断乳してある程度期間を空けて受診するのが良いですか。生理が戻ってからの受診になりますでしょうか。
⑤出産時、緊急帝王切開となりました。産後7ヶ月過ぎた辺りから生理痛より強い陣痛の様な痛みがある事があります。まだ生理は戻っておりません。子宮筋腫もある為、それが原因なのかもしれませんが、帝王切開術後瘢痕症候群になっていないか先に検査する事は可能ですか。

 

A リプロで妊娠し初めての出産、とても嬉しく思います。

 

①2回目の凍結胚3AB+3BBの2個移植が良いでしょう。
②この辺りは定かではありませんが、①の胚選択はあえて2回目に準じたものにしています。
③SEET液が無いのでしたら、何も行なわない方が良いでしょう。
④断乳後に生理周期が回復してからの受診が理想的です。
⑤帝王切開術後瘢痕症候群の確認は、リプロではなく、大学病院や地域の総合病院で検査が良いでしょう。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。