Q&A2842 34歳、採卵1回、4CCのみ | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 34歳

 

初めて採卵をしました。10個の採卵から体外受精7個、顕微受精3個で9個受精しましたが、胚盤胞はひとつ(4CC)でした。このまま採卵しても同じ結果になりかねないとの事で、次の目処がたっておりません。原因と対策はありますでしょうか。

 

A 30代の方でしたら、4CCでも妊娠のチャンスがありますので、まず胚移植をお勧めいたします。

 

胚盤胞になりにくい方には二つのパターンがあります。day 3(初期胚)まで発生が良好な方とday 3で発生が遅い方です。day 3までは卵子の要因が、day 3以降は精子と卵子の要因が関与することが判明しています。従って、day 3不良な場合には卵子の改善策として、25OHビタミンD、DHEAS、テストステロンを採血し、不足分を補充することで改善が期待できます。一方、day 3良好な場合には精子の改善策として、男性外来で治療可能な疾患の確認と治療(精索静脈瘤など)、良好精子の選別(IMSIやPICSI)を行うことで改善する可能性があります。

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。