Q&A2619 Q&A2570の方針について質問 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 2020.5.20「Q&A2570 2人目治療の移植方法等について」で質問があります。

 

なぜ、慢性子宮内膜炎があれば治療後にA、慢性子宮内膜炎がなければBが良いでのでしょうか。理由をお聞かせ願えますでしょうか。

 慢性子宮内膜炎があれば治療後にA=G-CSF注入法+3AB
 慢性子宮内膜炎がなければB=2段階移植(8G1+3AB)

 

A この方は、第1子を「SEET法+4AB」で妊娠されています。第2子では、「G-CSF注入法+3BB」で陰性です。SEET液はもうありません。この方の必勝法は「SEET+胚盤胞」ですが、SEET液はもうありませんので、必勝法を踏襲するのであれば、SEET法の原点である2段階移植を選択するしかありません。しかし、この場合は双子になる可能性があります。

 

ポイントは、出産後に新たな着床障害が生じたかどうかと、双子妊娠は極力避けたいことです。もし、慢性子宮内膜炎があるならば、それによる着床障害がクリアできれば妊娠できるはずですので、第2子の初回治療と同じ方法を実施すれば、上手くいく可能性が高いと思います(A)。しかし、慢性子宮内膜炎がないのであれば、SEETの代わりに初期胚を用いる2段階移植(B)が有効だと考えます。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。