Q&A2488 子宮内膜増殖症でミレーナは? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 38歳、10年前に不妊治療の末に双子を授かりました。2人を授けてくれた医学に感謝しております。

①数年前から生理終わりから排卵と思われる頃まで少しの出血が続きます。子宮内膜増殖症との判定でした。私はミレーナを入れたいと思っているのですが、帝王切開で産んだからと反対されています。先生の考えをお聞かせください。貧血もないので支障があるわけではないのですが、いつか癌化するかと思うと不安です。
②10歳4ヶ月で初経を迎えました。不妊治療で誘発もたくさんしたので卵子がなくなって、更年期や閉経が早いのではないかと思っています(閉経が早いなら内膜増殖症は気にしないでいいのかと思いました)。

 

A 

①ミレーナは、合成黄体ホルモンであるレボノルゲストレルを子宮内に直接放出する子宮内避妊具です。2007年に避妊薬として国内で承認されています。もともとは長期避妊目的で用いられていましたが、近年、過多月経や生理痛等に対して有効であることが明らかになり、2014年9月から過多月経の治療に対して保険適応となりました。

月経困難症(生理痛)や原因不明の過多月経の症状緩和に非常に効果があり、子宮内膜増殖症(単純型)に対する有効性と、子宮体癌に対する予防効果が期待でき、子宮内膜症や子宮腺筋症の症状緩和に有効です。ぜひ、使用されることをお勧めします。もし帝王切開の傷が心配でしたら、子宮鏡検査で帝王切開の傷の部分を確認してから、挿入されるのが良いでしょう。

初経年齢と閉経の関連はしっかり報告されていますが、不妊治療による排卵誘発で卵子が減少することはありません。排卵誘発してもしなくても卵子は減少します。

 

下記の記事を参照してください。

2018.6.24「初潮年齢と閉経年齢の関係

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。