Q&A2430 臍帯血をどうしたら良いか? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 不妊治療3年の末に今、二卵性の双子を妊娠して、16週目に入りました。PCOSと不育症があり、松林先生に質問して回答いただき、自分なりに勉強して最後の治療と決めて臨んだ結果でした。その節はありがとうございました。不妊治療3年の間に流産3回あり、今は赤ちゃん大丈夫かな?と毎回の妊婦健診まで、ヒヤヒヤしています。無事に妊娠、出産することはまさに奇跡だと思います。
 

今、臍帯血をどうしようかと悩んでいます。自己臍帯血を残すか、それともドナーになるかという選択肢です。体外受精での妊娠、出産で、臍帯血移植が必要な病気になるとは思っていませんが、もしもの事を思うと我が子に残すべきなのか?と、費用も安くは無いので、松林先生はどの様な考えがあるのかお尋ねしてみたいと思いました。臍帯血を捨てるという選択肢はありません。我が子に残さないならドナーになるつもりです。

 

A 私は、東海大学病院勤務時代に、臍帯血を利用した研究会議に携わっていました。東海大学は臍帯血バンクの草分け的存在で、産科、小児科、血液内科の先生方とは非常に仲良くさせていただきました。その会議の中で、臍帯血を食い物にする商売が横行する事実を目の当たりにしましたので、民間の業者の実情も垣間見ております。臍帯血移植が必要な病気とは、ほとんどの場合白血病です。自らのお子さんのために臍帯血を残す意味はまずないと思いますので、公的な臍帯血バンクの機関でドナーとして登録されることをお勧めいたします。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。