Q&A2245 39歳、AMH 0.09、採卵10回 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 37歳から不妊治療を始め、現在39歳です。AMHは初診当時0.09ですぐにステップアップを勧められました。現在まで10回採卵し、採卵数は毎回採卵できて1個です。


今までの経過は以下のとおりです。
1回目 多精子受精であったため、以来ずっと顕微受精
2回目 空胞
3回目 未成熟卵
4回目 6日目4BC凍結(sERC卵)
5回目 受精せず
6回目 受精するも分割せず
7回目 受精せず
8回目 空胞
9回目 5日目2b 凍結できず  
10回目 6日目1c 凍結できず  
排卵誘発はクロミッドと隔日注射、または自然、最近はレトロゾールと隔日注射です。
9回目以降カルシウムイオノフォアを実施しています。
8回目採卵頃より、DHEA、Lカルニチンを服用、現在加えてビタミンDも服用しています。

現在通っているクリニックでは初期胚の凍結は行っていません。ホルモン補充周期での胚盤胞移植、または採卵周期での新鮮胚移植のみです。地方で治療しており、県内では現在のクリニックが1番通いやすく、他のクリニックでも初期胚の凍結は行っていないようです。あと何回かは採卵を続けてみようと主人とも話していますが、何か試した方が良い方法があればご教授いただきたく、藁にもすがる思いでメールいたしました。

 

A 胚盤胞しか取り扱っていないクリニックは少なくありませんが、なかなか胚盤胞にならない方にとっては酷というものでしょう。胚盤胞にならない方でも初期胚で十分妊娠できるからです。また、クリニック独自のローカルルールにより胚盤胞になっても条件を満たしていないと凍結も移植もしないところも少なくありませんが、これも妊娠できる可能性のある胚を廃棄しているかもしれず、非常に勿体無いことです。初期胚凍結を実施しているクリニック、2bや1cなどを廃棄しないクリニックへの転院をお勧めいたしますが、もし無理なのでしたら、新鮮初期胚移植を行ってみてください。

 

ブログで何度も申し上げておりますが、ビタミンD、DHEA、テストステロンは数値が低い方のみにメリットがある治療ですので、必ず採血で確認してから使うのが良いでしょう。なお、イノシトールは検査がありませんので、1日4gお使いください。

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。