Q&A2123 ALICEとBCEの違いは? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 2018.12.11「Q&A2040 夫婦ともに30歳、胚移植2回不成功」の記事について質問があります。

 

ERAのオプションでEMMA、ALICE検査をしています。ALICE検査とBCEの検査に差があるということですか。ALICE再検査になりフラジール投与後、無事完治という結果をいただきましたが、hCG 0でした(良好胚でした)。検出される菌が違うということでしょうか。

病院のページを見に行きましたが、金額等が書かれておらず検討できませんので検査の概要なども含めお教えいただけますと幸いです。

 

A ALICE(Analysis of Infectious Chronic Endometritis、感染性慢性子宮内膜炎細菌検査)を慢性子宮内膜炎の検査とお考えの方が少なくないようですが、本検査は慢性子宮内膜炎を引き起こす可能性のある細菌を検出する検査です。これらの細菌があっても慢性子宮内膜炎でない方もおられますし、これらの細菌がなくても慢性子宮内膜炎である方もおられます。したがって、ALICEでは慢性子宮内膜炎の診断はできません慢性子宮内膜炎の診断には、CD138細胞の免疫染色が必要です。ALICEの有用性は現在のところ明らかにされていません。

 

CD138細胞の免疫染色による慢性子宮内膜炎の検査(BCE検査)は生理終了後数日以内に行います。検査自体は4万円(税別)ですが、その他診察料や必要な採血などが追加される可能性があります。なかなか妊娠がうまくいかない方には、BCE検査だけでなく、その他のオプション検査もお勧めしています(子宮収縮検査、25OH-VitD検査、銅亜鉛検査、不育検査)。

 

下記の記事を参照してください。

2019.1.14「☆EMMA+ALICE検査 vs. フローラ+BCE検査

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。