Q&A2087 いくつか質問があります | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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Q 2018.10.17「Q&A1984 採卵4回、移植6回、流産2回、化学流産1回」で回答をいただいた者です。


質問後に8G1+5BCの二段階移植をしましたが陰性に終わり、プレマリン服用後生理2日目からショート法(プレマリン1日6錠、ブセレキュア片鼻1日4回とHMGフェリング150単位〜)での採卵に入りました。薬の反応がイマイチで、プレマリンが一回服用3錠に変更、HMGフェリング合計2925単位使用し、HCG5000注射で最初に見えていた卵胞4個とも採卵できました。
今まで全て初期胚凍結予定で、今回全て正常受精しましたが、3日目の基準で凍結できたのが1個、残りは様子を見ることになり5日目B2が1個、6日目胚盤胞1個凍結しました。結果が良くなかった為、次の採卵に向けて卵子改善を期待し、私の希望でDHEA50mg服用を開始しました。採卵後の受診時に卵巣が少し腫れていると言われ、生理が来たらプラノバール服用で2週間分処方され、また次の生理2日目からホルモン補充周期で移植予定です(今回は3個全て一度に移植希望してみます)。


そこでいくつか質問ですが、

①毎回では無いですが採卵後や移植後にプラノバールが処方になります。AMHや採卵への影響は心配要らないでしょうか。
②ホルモン補充での移植周期中や移植後もDHEA服用し続けても差し支えないのでしょうか。
③サプリメントで葉酸・亜鉛・ビタミンD、処方薬でカベルゴリン・DHEAを服用していますが、飲み合わせの問題はありませんか。
④初期胚1個移植で稽留流産、初期胚2個移植で2回着床、内1回で胎嚢確認までできています。二段階移植をする意味は無いのでしょうか(胚盤胞が勿体ないので二段階移植しました)。着床した時の薬等のやり方で今後も移植をするべきでしょうか(以前と体質が変わることはないですか?)。
⑤私の地元では不育症検査も行なっていて、大学病院と連携を取っているようです。こちらで検査して問題無いでしょうか。
⑥あと半年足らずで43歳になりますので、以前のように着床もしにくいのではと考えたりもしますが、先生はどうお考えでしょうか。
⑦過去の出来事ですが、着床後に湯船に浸かって上がる時、子宮がキューーッとして痛みが強かったです。これは流産に繋がりかねない出来事なのでしょうか。
(あれから夫は禁煙しています。私もコーヒーの量を150ml以内に抑えています。)

 

A 

①プラノバールなどのピルは、一時的な卵巣機能低下になりますので、極力使用を減らすのが良いと考えます。

②DHEAは、かつて動物実験でマウスの妊娠率低下の報告がありましたが、ヒトの子宮内膜の培養液にDHEAを添加すると着床に必要な遺伝子が発現することが判明していますので、移植周期も妊娠判定まで使用しても差し支えありません。

③飲み合わせに問題はありませんが、亜鉛のみ空腹時に飲んでください。

④着床した時の方法を踏襲するのが最善策です。

⑤概ね問題ないと思います。

⑥43歳は、リプロでは普通に妊娠できる年齢です。まだまだ大丈夫だと思います。

子宮がキューーッとした痛みは、子宮収縮の可能性があります。子宮収縮抑制剤の服用が望ましいでしょう。

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。