Q&A2073 帝王切開瘢痕症候群と中隔子宮があります | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 現在通院中の医師に質問や相談ができる雰囲気がない為、ブログがとても勉強になります。また、田舎の為、転院もできません。

28歳で結婚し一人目はすぐに授かりました。その後は避妊。
33歳で妊活を始めるも一年間妊娠せず、病院受診すると帝王切開瘢痕症候群、中隔子宮、右卵巣嚢腫(良性4cm)と言われました。タイミング、人工授精5回でも妊娠しない為、35歳で採卵しました。
ロング法にて、10個採卵して1個は変性卵。
 4個を体外受精にて、3個多精子受精、1個受精するも分割停止。
 5個を顕微授精にて、3個受精、1個は分割停止、1個は4AA、1個は初期胚で凍結しました。
現在は、卵巣の腫れが落ちつくのを待って、その後4AAを移植予定です。採卵数に対して凍結できた数が少なく、子宮にも色々問題がある為、たった2個の凍結胚で妊娠出産までたどり着く気がしません。移植する前に、もう一度採卵して、少しでも若い卵を貯胚すべきでしょうか。また、排卵時期に常に3日ほど微量に出血します。帝王切開瘢痕部に血液が貯留して移植に影響がないか心配です。なお、夫の精子は常にとても良いと言われます。
 

A 帝王切開瘢痕症候群の正しい評価と治療の可否をまず行ってください。各都道府県に一つは大学病院がありますので、大学病院の受診をお勧めいたします。排卵期出血が見られても不思議ではありませんが、ホルモン性の排卵期出血なのか帝王切開瘢痕症候群による出血なんのか見極めが重要です。中隔子宮についても移植前に処置すべきか否か、こちらも正しい評価が必要です。

35歳でしたら貯胚ではなく移植で良いと思いますが、もちろんたくさん貯胚しておくのは良いことです。採卵数に対して凍結できた数が少ないのは、体外受精が上手くいかなかったためですので、もし次回採卵するならば、全て顕微授精が良いでしょう。

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。