Q&A1995 流産死産しやすいヒトは? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 何度妊娠出産しても全く流産しない人もいるのでしょうか。それとも、人間の女性の体は誰しもが何回に何回位は流産する可能性があるといった事はあるのでしょうか。また、死産はなぜ起きてしまうのですか。予防する方法はないのでしょうか。死産も、誰にでも起こり得る事なのでしょうか。流産や死産をしてしまう人としない人の違いは何なのでしょうか。妊娠し出産に至る事が出来るのは、運なのでしょうか。

 

A 統計的には3人の女性がいれば、少なくとも一人は流産の経験があります。流産を繰り返す、あるいは1回でも死産に至る方を不育症と言いますが、夫婦の染色体異常を除く不育症のそもそもの原因は明らかではありません。従って、根本的に不育症を予防する方法はありません。現在検査している項目は原因ではなくリスク因子ですので、全てはリスクを減らす対症療法と言えます。リスク因子があっても流死産に至らず赤ちゃんを授かる方もおられますので、流死産をしてしまう人としない人の違いは不明です。そのような意味ではある意味「運」なのかもしれません。

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。