Q 子宮頚がんを患った身としては、ワクチン定期接種の積極勧奨再開を望んでいます。娘2人には接種するつもりなのです。その際、サーバリックスとガーダシルのいずれを希望するのが望ましいと思われますか。それぞれ適応する型が違うとの認識くらいしかないのですが、それを言うなら、ガーダシルの方が16・18プラス6・11も予防できるのでいいような気もしますが、現在選択できる体制にあるということはサーバリックスの方にも何かメリットがあるのか。
いずれにしても、現在8歳の娘が接種する頃にはまた違うワクチンが出来ているとは思うのですが。その頃には今以上に接種する人口が増えているといいなぁと個人的には切に願います。
A ヒトパピローマウイルス(HPV)には100種類以上の型が存在します。持続感染により癌を引き起こす「高リスク型」とイボを作る「低リスク型」があり、「高リスク型」の15種類のうち子宮頸癌の原因として多い型が16型と18型です。日本で子宮頸癌から検出されるのは16型と18型が全体の約60%を占めています。特に20~30代の若年層では80~90%であり、子宮頸癌発症リスクの高いこれらの年代ではさらに高い予防効果が得られるものと考えられます。子宮頸癌は、毎年およそ15,000人の方が罹患し、3,500人の方が命を落としています。
サーバリックスとガーダシルの比較をしてみましょう。
サーバリックス ガーダシル
開発時期 2007年5月 2006年6月
日本で販売開始 2009年12月 2011年8月
接種スケジュール 初回、1ヶ月後、半年後 初回、2ヶ月後、半年後
有効なHPV型
子宮癌(公式) 16型、18型 16型、18型
子宮癌(非公式) 31型、33型、45型
コンジローマ・外陰癌 6型、11型
現在までのところ、両者の子宮頚癌に対する効果に違いはありません。サーバリックスは、非公式ですが31型、33型、45型にも有効とされており、子宮頸癌の80%以上をカバーできると考えられています。しかも、接種後の抗体価が高いため、より長期間有効ではないかと考えられています(発売後間もない為長期の効果は現在のところ不明)。一方、ガーダシルは、6型と11型をカバーするため子宮頚癌以外に尖圭コンジローマや外陰癌にも効果があります。現在のところ、どちらが良いとは一概には言えないでしょう。
なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。