Q&A1676 人工授精7回、凍結胚移植7回、陽性判定2回→流産 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 37歳で結婚
38歳からタイミングと人工授精を試み、40歳を超えてステップアップしました。採卵2回移植7回結果が出ない状況です。生理不順無し、卵管造影、血液検査で問題無し。不妊の原因なるものを告知された事はありません。

採卵① 9個取れ6個が受精卵に(ふりかけ法4個、顕微2個)初の凍結胚盤胞胚移植4BBで陽性判定出るも胎嚢確認できず自然排出、その後の子宮鏡で子宮が前後に癒着していると判明その場で開いて解決。同年に残りの凍結胚3BB、4B'B'、3BBを移植するも陰性。
採卵② 11個取れ全てふりかけ法を希望し8個受精のうち4個凍結。3月4BB'陰性、5月5BB'陰性、6月に念の為子宮鏡検査するも癒着再発なく問題無し。7月4AB移植時これまでの移植日から半日遅らせてみることを実施(4.5日から5日へ)。妊娠判定から心拍確認するも2週間後に心拍停止で稽留流産の手術待ちです。形のしっかりした胎児でへその緒もしっかりしていて出産までいくはずの子だったと言われ、流産胎児染色体検査をする予定です。

 

7回の胚移植で陽性が出たのは自然周期による移植。全ての胚移植でAH施行、ETM使用。ホルモン補充移植も一度だけ経験有りますが陰性。2回の流産から、不育症検査を進められています。これまでの成績が悪い為、凍結での体外受精が向かないのかもしれないと医師に言われ、残りの胚5BB1つを使用後、3回目の採卵をし、新鮮胚移植をしてみるか、人工授精へ戻るかと提案されましたがどうしていいのかわかりません。これまでに2医院で人工授精を7回ほどしていますが全て陰性です。葉酸、ミトコンドリアへの効果期待のサプリ、冬虫夏草など体質改善は色々と試みて来ましたが、まもなく42歳、解決方法がわからず焦りがあります。先生ならどのような治療をお考えになられますか。

 

A 現在の米国の不育症の定義は、2回以上の流産ですので、私も不育症検査をお勧めします。不育症は極めて専門性が高い分野ですので、必ず不育症専門医の元で診察を受けてください。また、凍結胚移植7回で陽性判定2回ありますので、決して凍結が向かないとは思いません。私なら、不育症を行なって対策をとって残りの胚5BBを移植します。ステップダウンする場合も、不育治療を併せて行うことで、過去の人工授精とは異なる展開が期待できます。