Q&A1574 双子の場合:一卵性か二卵性か | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 2017.3.4「嬉しい報告:妊娠した時と同じ方法で」で第三子妊娠の報告をさせていただいた者です。
その後に双子と判明し、順調な経過でただ感謝しております。4日め新鮮胚(着床率15%)と、分割1日遅れ(10%未満)の胚も合わせ2個移植でした。毎回このようなグレードの悪い胚しかできず、アシステッドハッチングもしています。第一子の際も二個戻し→片方は胎嚢のみで止まり単胎でした。今回も二個移植でしたが胎嚢胎芽が2つ、エコーで胎盤が癒合していました。
DD双胎でも性別が同じ場合、一卵性の可能性はありますか。アシステッドハッチングが一卵性双子になりやすいというのは本当でしょうか。双子はとても嬉しいですが、リスクもあるので、今後研究が進めばいいなと思います。

 
A 一般的には、DD双胎は2卵性、MD双胎とMM双胎は1卵性ですが、まれに違うことがあります。
1個移植の場合でも、受精後3日目まで(桑実胚未満)に分裂すればDD twinに、8日目までに分裂すればMD twinに、12日目までに分裂すればMM twinになります。
また、極めて稀に、2個移植で2個着床した場合でもMD双胎のように見えることがあります。これは、ふたつの胚が極めて近くに着床した場合には、胎盤がひとつになってしまうと考えられています。この現象は牛では普通の現象です。
 
質問者さんの場合は、移植した胚が桑実胚未満でしたら、2個移植で1個着床しDD twinになるケースも考えられます。しかし、通常は2個移植で2個着床したDD twinと考えます。双子の場合は胎盤が癒合して見えることも少なくありません。血管の吻合の程度の確認が必要です。様々なケースが考えられますが、性別が同じ場合という理由だけでは1卵性の確証にはなりません。遺伝子検査が必要です。
 
なお、胚盤胞のアシステッドハッチングは、MDやMM双胎のリスク因子とされています。
 
下記の記事を参照してください。