Q&A1480 内膜症でピルの副作用 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 以前妊娠中のレキソタン服用について質問し、ご回答いただいた者です。その節はありがとうございました。結局30週までレキソタン3mgを服用し、徐々に減量して、服用せず出産できました。今のところ子どもには異常はありません。

今回もう一つ先生にお聞きしたいことがあります。私は3年前に卵管水腫で腹腔鏡手術を受けていますが、その他にも重度の子宮内膜症、線筋症がありました。お腹の中は結構癒着がひどかったらしく、当時30歳でしたが執刀医に「早く妊娠しましょう。この歳でここまで癒着が酷いのは進行が早い内膜症だと思います」と言われました。
出産後、母乳があまり出ず完全ミルクにしたせいか1ヶ月後に生理が戻ってきて、2回目の生理では妊娠前と同じひどい生理痛、経血量も妊娠前と同じくらい大変多くなりました。

そもそも生理痛が酷いのは昔からで、子宮内膜症と診断される前に初めてトリキュラー21を飲みましたが、なんだかボーッとする時間が多くあまり調子が良くなかったため2ヶ月くらいで飲むのをやめてしまいました。2009年頃初めて内膜症と診断され、そのときは保険適用になるということでルナベルを飲みました。今度は鬱のような症状が出てきて、不眠、肩こり、頭痛に本当に悩まされました。レキソタンを飲み始めたのはこれがきっかけで(当時は頓服でしたが)ルナベルは1シートで飲むのをやめて、その先生にマーベロンを出してもらいました。マーベロンは割と合っていて、それほど気になることはなかったのですが、それはルナベルと比べて、ということだったのかもしれません。ちょうど仕事がすごく忙しい時期と重なっていたため、しょっちゅう体調は崩していた気がします。それでも1年くらい、結婚するまではマーベロンを飲んでいました。

そして今回も生理が戻ってきたため、ピルを飲み始めることにしました。マーベロンを希望して、後発品のファボワールを処方されました。11月から飲んでいるのですが、やっぱり体調が悪いです。不眠症状も戻ってきて、疲れが全く取れず、ちょっとしたことでも落ち込んでしまいます。育児の大変さも加わり、せっかく出産後ずっとやめていたレキソタンが、また復活となってしまいました。円形脱毛症もできています。一応主治医には12月に症状を伝えましたが、ピルで不眠というのはあまり聞かないとの回答でした。引越しなどの影響で、トリキュラー、ルナベル&マーベロン、ファボワールを処方してくれた先生は全員別の先生です。また引越しがあるので、ピルは2月後半から切れたまま服用していません。生理痛や生理自体は格段に軽くなってそれは本当にありがたいのですが、ピルを飲んでいると生理以外の3週間がとてもつらいです。
質問ですが
①子宮内膜症のために、やはりピルは服用すべきでしょうか。「ヤーズ」という超低用量ピルもあると知り次の引越し先で飲んでみようかと思っていますが、内膜症の予防にはあまり効果はないでしょうか。
②こういった症状は、やはりピルの副作用でしょうか。
③ピルを服用したほうがいい場合、この副作用にはどのように対処していけばいいでしょうか。レキソタンをやめるのが大変だったのと、まだわかりませんが2人目も考えてはいるので、精神科の薬はできることならあまり飲みたくありません。

ちなみに、次の引越し先は大阪です!営業職の主人の転勤なのですが、二人ともずっと東日本で生きてきたので、関西は本当に予想外でした。一応2人目は2年は空けようと思っているのですが、治療再開の際には是非リプロでお世話になりたいと思っています。

 

A 内膜症の辛さは、その方にしかわからない辛い症状だと思います。

①ヤーズの連続服用が内膜症に効果的であるとの報告があります。休薬して生理を起こす意味はありません。なお、ヤーズは血栓症のリスクが問題視されましたが、この薬剤に限ったものではなく、ピル共通の問題です。最初の3ヶ月間が大丈夫でしたら、心配ありません。また、合っているマーベロンを使う手もあります。後発品は薬剤成分は同じでも効果や副作用の出方が違うことがあります。

②全て、質問者さんにとっての副作用だと思います。

③質問者さんにとっての副作用がない、マーベロンを試してみてください。