Q&A1397 ホルモン補充周期で陰性3回、自然周期で妊娠するも流産 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 妻33歳、夫34歳、原因不明
FSH、プロラクチン、エストラジオール、プロゲステロン、抗精子抗体、AMH、フーナーテスト、卵管通水検査を施行。タイミング1年、人工授精6回陰性。

県内でも有名なクリニックに転院し体外受精を行いました。刺激法はアンタゴニスト法で14個採卵でき9個が受精しました。グレード1が3個、グレード2が3個とその他ができ、グレード1を2個、グレード2を1個凍結し、残りを胚盤胞までお願いし、1つが胚盤胞になりました。
移植1回目に2日目の凍結胚を移植し着床しましたが、心拍確認後稽留流産のため手術を施行しました。検査の結果染色体異常でした。

その後、残りの凍結胚を3回戻しましたがすべて陰性でした。初めの3回は自然周期で戻し最後はホルモン補充周期で戻しました。
再度採卵から始まるためお金も大変なので今後どうするかで悩んでいます。1度着床したのだからまたその病院で行うか、そしてその時に移植周期のホルモン補充をどうするか。1度着床した時は自然周期でした。ちなみにE2やP4などは測っていません。LHのみです。
そのほか更に他に検査した方がいい事があるのであれば転院などを考えてみるか。妊娠しなかったので違う病院にしてみるかを悩んでいます。県内では他に病院がないため3時間くらいかけて都会の方に通う事となります。1番最初のクリニックで軽い子宮内膜症だと言われました。この程度なら大丈夫と言われ気にしていなかったのですが、腹腔鏡手術なども検討した方がよいかも悩んでいます。

 

A ホルモン補充周期では結果が出ておらず、自然周期で妊娠していますので、間違いなく自然周期での凍結融解胚移植がお勧めです。何度も申し上げておりますが、妊娠した時の方法を行うのが最も妊娠への近道です。現在通院中のクリニックで、もう一度採卵をお勧めします。
なお、内膜症は手術をすると、確実に卵巣機能が悪くなりますので、そのままにしておいた方が良いです。