Q&A1273 NK活性が高いです | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 40歳

体外受精にて妊娠しましたが、心拍確認後8週で稽留流産をしてしまいました。まだ一度目の流産でしたが、年齢が年齢なので念のために不育の検査を受けました。その結果、NK活性の値が基準値より少し高い事が判明しました。基準値が40以下のところ、私は47でした。これ以外は特に問題ありませんでした。
この場合、ピシバニール療法は受けた方がいいのでしょうか。基準値より上ではありますが、そこまで高いわけでもないので高額なピシバニール療法をやるべきかどうか迷っています。
 
A NK活性が高い時の治療方法としては、下記の方法があります。
 
NK活性を低下させる方法(上からお勧め順)
 イントラリピッド療法:点滴静注
 ヘパリン療法:皮下注射 2回/日(自己注射)
 心理療法(心理カウンセリング)
 大量免疫グロブリン療法:点滴静注(極めて高価な血液製剤)
 ピシバニール療法:皮下注射(夫リンパ球免疫療法の代替法)
 夫リンパ球免疫療法:皮下注射(現在、米国では禁止されています)
 ステロイドホルモン:内服(低下させるには大量に必要)
 
まずは、イントラリピッドとヘパリンを推奨いたします。
 
私は、自らのデータから妊娠維持に望ましいNK活性値を44%未満としています。検査センターの基準値は、健常人の測定値の上位と下位を何%かに設定した値としていますので、妊娠維持に望ましいNK活性値ではありません。ご注意ください。
 
下記の記事を参照してください。