Q&A860 Lアルギニンは? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 第2子希望、40才
子宮の血流を良くするためにLアルギニンが良いと聞いたのですが、どのくらいの量を飲めば良いのかわかりません。ネット情報だと各人様々な理由でそれぞれの量を飲んでいるようです。単位が違うくらい摂取量に差があり、また、個人輸入になってしまうので不安です。どのくらい摂取したら効果的なのかご教示頂けますか。また、妊娠後も摂取したら効果的なのでしょうか。
前回切迫早産でベッド生活になってしまい、体が冷えていてはりやすいおなかだと言われたので、血流改善になるのなら切迫予防になるのではと考えました。

A Lアルギニンは、6~16g/日(分4)で効果があるとの報告がありますが、下記の論文から日本人は 6g/日(分4)で良いと思います。Lアルギニンは、強アルカリのための胃腸障害がありますので、酸性のもの(クエン酸など)と一緒に服用するのが望ましいです。また、Lアルギニンによる胎児への影響は不明ですので、妊娠後はやめておいたほうがよいでしょう。

Hum Reprod 2002; 17: 659(イタリア)Lアルギニン 16g/日(分4)
要約:LアルギニンはNO前駆体であり、NO産生により子宮の血流は改善しますが、新鮮胚移植周期では、良好胚は少なくなり、妊娠率が低下しました。

Fertil Steril 2010; 93: 1851(日本)Lアルギニン 6g/日(分4)
要約:Lアルギニン服用により、内膜は厚くなりました。