Q&A808 頸管妊娠・不全流産後出血が続きます | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 全層の子宮腺筋症持ちで、三度目の体外受精により着床しましたが、頸管妊娠・不全流産となりました。子宮動脈梗塞術・子宮内容物除去術を行い、妊娠反応マイナスとなりました。その後、少量の出血が1ヶ月程続き、再度子宮収縮剤を内服後、一旦止血しました。しかし、内服終了後一週間で再度出血し、少量の出血が16日間続いています。医師からは内容物が残っているのか、UAEの影響か、原因がわからないとのことより、子宮鏡をすることになりました。出血が続いている状況でも子宮鏡の所見ははっきりするのでしょうか。また、この場合、どの様にすれば、妊娠治療にもどれますか。なお、ホルモン値などは現在検査中です。

A 本来、出血がある時には子宮鏡検査は行わないのですが、今回の場合、出血部位を特定するのが目的ですから、このような場合には、出血中にも子宮鏡検査を行います。

妊娠ホルモンは陰性化していますから、出血の原因としてはホルモンバランスの乱れが最も考えやすいと思います。また、頸管妊娠・不全流産などの後、稀に子宮内に動静脈瘤が出来る場合があり、これは持続する出血の原因となります。動静脈瘤の場合には、動静脈瘤の梗塞術を行ないます。出血が収まれば妊娠治療が再開できますので、しっかり原因究明が肝腎だと思います。