Q&A742 37歳、20週で流産、子宮内癒着が心配 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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Q 37歳
20週で流産しました。胎盤などを出す処置を行ったあと、28~30日周期で2回生理がきました。hCG値も0になったので、次の妊娠を臨めるという説明をうけましたが、子宮内の癒着の可能性があるので子宮卵管造影検査を受けることをすすめられました。流産処置後の癒着はどのくらいの可能性でおこるのでしょうか。また、癒着があった場合でも、程度によっては妊娠出産は可能なのでしょうか。生理も今まで通りの量でしたが、とても心配です。

A 流産処置後の子宮内癒着は、現在ではほとんどありませんが、掻爬術を行なっている場合には少ない確率で起こりえるとされてます。しかし、妊娠20週でしたら分娩形式で処置が行われたと思いますので、さらに子宮内癒着のリスクは低くなります。このような状況で子宮卵管造影検査を勧められたのであれば、処置の際に医師が気づいた何かがあったのかもしれません。

子宮内癒着は、子宮鏡による内視鏡手術(TCR)によって多くの場合治療が可能です。したがって、治療できれば、妊娠出産が可能です。