Q&A588 42才、チョコレート嚢胞、子宮腺筋症 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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Q 42才、チョコレート嚢胞、子宮腺筋症、CA125 168
半年前に子宮内膜症と診断され、ピルを半年間服用しました。その後、CA125が200になりました。内診もエコーもしないため不信に思い、セカンドオピニオンで相談し、エコーと血液検査をしました。その結果、卵巣チョコレート嚢胞(左8cm)、子宮腺筋症との診断でした。今度MRIを撮りますが、医師からは全摘と言われました。子供は望んでおりませんが、全摘と聞くとやはりショックです。ただ、子供が居ない事を伝えると、子宮を残して不妊治療も可能だと言うことを言われました。私自身は不妊治療して迄は子供は欲しくありません。ただ、女性として子宮を残したいと言う思いもございます。どのようにしたら、良いのか迷っております。

A 文面のみでは正確な判断は困難ですが、少なくともチョコレート嚢胞のある左卵巣は全摘するのが得策だと思います。年齢と大きさから悪性化の可能性が否定できないからです。子宮腺筋症は、生理痛が重症でなく、お子さんを積極的に望まないのであれば、このままにしておくという選択肢があります。生理痛が重症で、お子さんを積極的に望まない場合は全摘、生理痛にかかわらず、お子さんを積極的に望むのであれば腺筋症核出術がよいと思います。