45歳以上の妊娠:体外受精と自然妊娠の比較 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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テーマ:
45歳以上の妊娠は、それほど症例が多い訳ではありません。本論文は、45歳以上の妊娠を、体外受精妊娠と自然妊娠に分けて比較検討したものです。

Fertil Steril 2015; 103: 76(米国)
要約:2000~2010年に45歳以上で出産した472名の女性を後方視的に検討しました。体外受精妊娠は185名(ドナー卵子による妊娠を含む)、自然妊娠は193名でした。2群間に有意差の認められた項目は、年齢(47.0歳 vs. 45.6歳)、白人率(88.1% vs. 75.6%)、出産歴(0.4回 vs. 1.2回)、帝王切開率(75.1% vs. 49.7%)、選択的帝王切開(25.4% vs. 9.4%)、遺残胎盤率(2.7% vs. 0%)でした。その他の母子の状態には有意差を認めませんでした。なお、体外受精ではドナーと自己卵子の差も認めませんでした。

解説:どの国でも出産年齢の高齢化が進んでいます。かつては高齢出産といえば35歳以上の出産を指しました。今では35歳は特別高齢ではない印象であり、どちらかというと一般的な出産年齢です。40歳以上の出産が増加している昨今では、高齢出産は45歳以上とするのが妥当ではないかと考えられます。米国ではドナー卵子による出産もこの10年で約2倍になっています。従来から、高齢出産では、染色体異常、妊娠糖尿病、妊娠高血圧、帝王切開の確率が高くなることが知られていました。本論文は、45歳以上の妊娠を検討したところ、体外受精と自然妊娠には大きな違いを認めないことを示しています。

45歳以上の妊娠率はかなり低くなりますが、本論文は、十分妊娠出産が可能な年齢であることを示しています。年齢制限を設けているクリニックもあるようですが、可能性を排除することは得策ではないように思います。

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