Q&A570 自然周期胚移植で基礎体温があがりません | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 31歳、両卵管通過障害FT術後
月経周期は28~32日で、基礎体温ははっきり2層です。高温期も14日あり、自力で排卵もするようです。ただ、低温期が17日ほどあり排卵に少し時間がかかるようです。
体外受精にステップアップして、CD18で3日目の初期胚を移植予定です。CD14の採血でLH 31.4、E2 390.9、P4 1.21でした。担当医は、エコーでも内膜も厚いし、今日明日排卵するでしょう、ということでした。しかし、CD16でまだ体温があがりません。
1 担当医は排卵済みであろうCD16から、デュファストンを飲むように指示されました。もともと自然周期での移植でしたが、念のためということで処方されたものです。まだ体温があがりませんが、飲み始めて問題ないでしょうか。
2 CD16、17に排卵した場合、CD18に初期胚移植すると着床率がぐっと下がるのではないでしょうか。

A CD14でLHサージがあるとしたらCD15の排卵、P4が1点台になったとしたらCD14の排卵になります。担当医の考えは、そこからきています。もし、排卵しなかった場合に備えて、デュファストンが処方されたと考えます。したがって、CD16からデュファストンを飲んでいただいた方が良いと思います。もし CD16、17に排卵した場合でも、デュファストン内服により、CD18に移植が可能になります。

体温は余りあてにならないので、本当は採血と超音波で判断したいところです。また、CD14にhCG注射かGnRHの点鼻薬を使っておけば、より確実になったと思います。