Q&A528 50歳、いつまで頑張れますか? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

A 50歳
親の介護等が落ち着いた40代に再婚、体外受精は45才から開始、途中ケガで中断しましたが、現在50才です。焦りもあり、今年から毎月、採卵してます。
胞状卵胞は生理中2個以上見えて、ホルモン値も良く、自然周期で最後にスプレキュア仕上げ、毎月1個は採卵出来ます。2日目4細胞グレード1です。47才時には軽い刺激方法で胚盤胞4ABも出来たりと医師から褒められる良い受精卵は出来ますが、一度も着床した事がありません。
自覚症状のない軽度の膠原病シェーグレン症候群があり病院は経過観察のみ、不妊クリニックでは移植時だけプレドニンとアスピリンを服用します。
①生活習慣や食生活を改善しましたが、高齢の卵の質には反映されず、毎月採卵出来てももう諦めた方が良いのでしょうか。
②自然周期でスプレキュア仕上げ、細い針で採卵して出血もほとんど無いのですが、毎月採卵は卵巣等へのダメージの可能性もあり得るのでしょうか。
③FSHは13位ですが、hMG等の刺激も最後に試してみる価値はあるのでしょうか。
高齢で治療中という事に、恥ずかしさ等色々な心理的な葛藤はあります。これから成長する次の世代に愛情を注ぎ大切に育みたい、その気持ちがとてもあり、あと一年位は妊活を続けたいと思ってます。

A 採卵し凍結できていれば、チャンスはあると思います。必ずしも胚盤胞を狙う必要はなく、初期胚の2個移植をお勧めします。また、刺激周期も一度トライしてみてはいかがでしょうか。
自然周期は薬剤をあまり使わないですが、採卵回数が多くなります。採卵回数が多いことは決して自然なことではありません。その影響がどうなるのかはまだ明らかではありません。刺激周期の歴史と比べ、自然周期の歴史が浅いからです。