Q&A506 東京から通院希望 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 右卵管閉塞、39歳
病院探しでしっくり来ないので、今年は諦めてニュートラルに過ごしたいと考えています。
東京からリプロダクションクリニック大阪へ通うとしたら、まずどのような検査を行って、また検査は何日かかりますか。その後はどのタイミングで病院へ行く形になりますか。通うのは距離的に体の負担になってしまいますか。卵管閉塞の治療をしてからが良いでしょうか。
年齢的な事を考えたら 体外受精が一番の近道でしょうか。右卵管閉塞がある場合に、人工受精はできないのでしょうか。他で検査をし、それをもって先生の病院へ行くのもありですか。

A タイミングや人工授精の治療をお考えの場合、右卵管閉塞がある方では、左の卵巣からの排卵を目指した治療が必要になります。ただ、目指すと言っても思い通りに左から排卵してくれるとは限りません。左右どちらかの卵巣に排卵が起こり易い方もおられます。そこで、卵管鏡下卵管形成術(FT)を行うメリットが生まれます。

もうひとつ重要なのは、女性の年齢因子です。卵子は老化しますので、早め早めの対応が望まれます。AMH(卵子の数の目安)が多ければ時間的余裕がありますが、少なければすぐにでも体外受精の方向を考えられるのがよいでしょう。

当院は、東京からの方も含め遠方からの患者さんが多くなっております。お近くで検査を済ませ、当院でFTのみを行うことも可能です。不妊の一般検査はどのクリニックでもほとんど同じです。検査完了まで1ヶ月(1生理周期)を要します。人工授精、体外受精に遠方から通院されている方も大勢いらっしゃいます。