☆子宮形態異常の新分類 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

子宮形態異常の新分類ESHRE(欧州ヒト生殖医学会)とESGE(欧州婦人科内視鏡学会)から合同で発表されましたので、ご紹介致します。この基準は、CONUTA(CONgenital UTerine Anomalies:先天性子宮奇形)というワーキンググループが作成しました。

Hum Reprod 2013; 28: 2032
要約:下図のような子宮の分類を提唱しました。なお、U6を分類不能としました。
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子宮頚部および膣については下記の分類としました。
C0 正常子宮頚部
C1 中隔子宮頚部
C2 重複子宮頚部
C3 片側子宮頚部
C4 子宮頚部無形成

V0 正常膣
V1 非閉塞性膣中隔(縦中隔)
V2 閉塞性膣中隔(縦中隔)
V3 閉塞性膣中隔(横中隔)and/or 処女膜閉鎖
V4 膣無形成

解説:本分類は、子宮形態異常を今後議論していく際に応用が利く分類として、活用できるものとなっています。もちろん、アップデートは必要ですが、当面この分類が用いられると思いますので、ご紹介致しました。
非対称性(片側性)の子宮、膣異常への対応も可能な分類となっています(U4、C3、V2)ので、「Herlyn-Werner-Wunderlich症候群」にも対応しています(詳細は、2013.7.8「☆見逃しやすい子宮と膣と腎臓の形」を参照してください)。