「高福祉高負担」の税金は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

「高福祉高負担」の北欧では、国単位の大規模な疫学研究(統計)が可能になることを2013.3.30「精神疾患の発症と不妊症の関係」2013.4.7「2人の元気な赤ちゃんを授かるにはどっちが良い?」2013.4.10「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は出生時の体重で予測がつく?」2013.4.14「自閉症と体外受精の関連は?」でご紹介しました。高負担とはいったいどの位でしょうか。デンマークの例をご紹介します(日本円換算は2012年のものです)。

所得税(2012年) 
 年収4万2,900クローネ(69万円)以下:0%
 4万2,900クローネ~38万9,900クローネ(631万円)以下:4.64%
 38万9,900クローネ~:15.0%
地方税 22.7%~27.8%
医療賦課税 7.0%
*所得税、地方税、医療賦課税の合計課税税率を最高51.5%とする

その他の税金
教会税 0.7%
労働市場貢献金 控除前の所得の8%
消費税(付加価値税)25.0%
株式所得への課税(キャピタルゲインおよび配当、利息、収益分配金等)
 4万8,300クローネ(78万円)以下の部分:27%
 4万8,300クローネを超える部分:42%

デンマークでは数回の国際学会を主催したことがあり、よく存じている国です。現地の方にお聞きしたところ、上記の税金を合計すると、年収の50%~80%(平均71%)が税金になるようです。貴金属類や外国製の自動車などの高級品の消費税率は100%と伺いました。店頭表示価格の2倍の費用がかかることになります。このくらい高負担にしなければ、高福祉が得られないのだと納得したのを覚えています。