☆Q&A3805 適切な黄体ホルモン開始時期は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 個人差があることはもちろん承知ですが、一般的に黄体ホルモン開始から120時間ピッタリに移植する方が良いのでしょうか。多少のズレが生じるとしたらどのくらい前、もしくは後ならば良いでしょうか。ベストなタイミングはいつでしょうか。自分が通っているクリニックは当初は黄体ホルモンの開始時の指示が無く、移植3回目で質問してみたら120時間と言うざっくりとした返答で、そこまで神経質になることないと言う見解でした。現状で出来ることはしたいので、移植の成功確率が高くなる移植タイミングを是非、教えていただけたら助かります。検査を受けるのが1番良いことは承知しておりますが、諸事情ですぐに検査を受けられないため、どうぞよろしくお願いします。

 

A 着床の窓の検査ができない場合の黄体ホルモン開始時期は、113時間前後が良いです。

その理由は、、、リプロダクションクリニック開院時に、全国の不妊クリニックでの黄体ホルモン開始時期を調査したところ、5通りありました。胚盤胞移植の「5日前の朝から、5日前の昼から、5日前の夜から、4日前の朝から、4日前の昼から」です。それぞろのクリニックで統計を取るなどして試行錯誤の結果、このようになったものと解釈し、ちょうど真ん中に当たる「5日前の夜から」を移植の際のスタンダードとして採用しました。多くのクリニックでは、午前中に採卵し昼過ぎに移植というタイムスケジュールを取っていますので、14時前後に移植するとして、5日前の夜21時であれば113時間になります。なお、数時間の誤差は問題ないと考えています。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。