間も無く初めてパチンコ・パチスロを打った日から37年が経ちますが、未だにその正体、いやもしかしたら尻尾すら掴めていないというのが実情です。

 

だからこそ打ち続けてきたのだとも言えますが。

 

謎なものに惹かれがち、歴だけはベテのラン(*´ω`*)甚之丞です。

 



今では商店街のパチンコ店が全て無くなってしまった我が地元「いわき駅前」ですが、平成が幕を開けた頃にはまだ4店舗ほどが残されていました。

 

そこへ関東地方から「T店」という店が進出してきたときの話を少し。

 

関東から来たといっても、隣の茨城県に2店舗ほど展開しているだけの小規模チェーン。


駅前大通りに面した以前にも何度かパチンコ店が入っていたことのある場所へ、パチンコ100台、パチスロ20台程度を設置。

 

当時パチンコはまだ旧要件、パチスロは2号機の時代でしたが、導入機種は地元の見慣れた台とは一線を画すものがありました。

 

この頃パチスロは1.5号機から2号機へと移り変わり、新台で一番多く見掛けたのは「センチュリー21」、少し遅れて導入した店なら「リバティーベルⅢ」などのユニバ系機種ばかり。


ところがT店にはこの辺りでは見掛けない「ウィンクル」が入ると、オープン前にもかかわらずどこからともなく漏れ伝わってきていたのです。


「ウィンクル」(高砂電気産業)

 

2号機から新たに導入されたフルーツゲームという未知なるゲーム性を有したマシンに自分も期待に胸を膨らませ対戦する日を待ち焦がれた。

 

↓T店で「ウィンクル」を打っていた時の話

 

パチスロを初めて打ってから、1.5号機には散々やられてきたものでした。

 

2号機になって天井や小役フラグの持越しが廃止となり、パチスロとはますます勝ちにくいものになってしまうと思われましたが、蓋を開けてみればそんなことは無く、個人的にはむしろ勝つことが増えたのです。

 

何だったら1.5号機では天井の存在が金を突っ込ませる最大の要因でしたから、無くなったのはむしろ良いことだったのかもしれません。

 

それまで地元ではどこも6枚から7枚の1回交換というルールでしたが、2号機導入を機に無制限営業に切り替えた店が多かったというのも大きかったでしょう。

 

中には頑なに1回交換を続けている店もありましたけど、そういう店は大抵閑古鳥が鳴いている状態でしたね。

 

流石に2-2号機が登場した頃にはどの店も無制限営業にシフトしていたと思います。

 

自分が初めて打った2号機はユニバーサル販売の「アメリカーナX-2」という機種。



まだ本当におっかなびっくりで、せっかく無制限営業になっても一日勝負などしたことは無く、少し出たら交換してしまうという養分打ちでした。

 

ところがある日を境にパチスロで勝てると思うようになっていったのです。

 

A店というパチンコ屋に通っていた時のことですが、導入されたばかりのアメリカーナX-2のシマから大きな声が聞こえてきた。

 

喧嘩でも始まったのかと見に行くと、主任がその店の設定師と思われる人物を怒鳴りつけている。

 

「見てみろ!ちゃんと設定使わねえから全然客居ねえじゃねえか!」

 

主任は当時40歳くらいだったと思われますが、後に自分も出入り禁止にされるなどなかなか気合の入った人物でありました。

 

この件を目撃した時、「えっ、パチスロに普段から高設定が使われることってあるんだ」って思ったんですよね。

 

正直パチスロは1.5号機の頃から低設定しか使われていないと思っていましたから、これは目から鱗が落ちる出来事でした。

 

すると翌日からパチスロコーナーは急に賑わいを見せ、いかにも高設定が使われているような雰囲気が感じられたのです。

 

もしあれが主任によるサル芝居で、宣伝広告の一環だったとすれば一本取られたんでしょうけどね。

 

この店は間も無く出禁になりましたので、パチスロではそこまで勝てた訳ではありませんが、それから間も無くオープンした「T店」に通うようになり、高設定で勝つ醍醐味を知ったことによって、設定を意識して打つという感覚も自然と身に付きました。

 

1.5号機時代は攻略法無しには負けることが当たり前と思っていたパチスロでしたが、2号機が登場してからはどの店も徐々に高設定を使ってメダル出すようになってきたのです。

 

確かに1回交換だった頃とは違い、無制限営業はある程度箱を使っている人が居ないと出ているように見えないという欠点がある。

 

T店は他所からきたグループですから、ここで成功する為に何とか客を付けようとかなり甘い営業をしていたのでしょう。

 

特に「ウィンクル」には毎日確実に高設定を使っていると思われる。

 

それに加えて二つの覗き攻略法が効きまくりだったのです。

 

一つ目は、かの有名な「タンク覗き」である。

 

ご存知の方も多いと思いますが、この機種は立って上から覗くとホッパーの中身が丸見えでした。

 

メダルが少なければ払い出が多いので良い台の可能性、逆に沢山入っていれば悪い台の可能性が高まります。

 

勿論それだけで判断できるはずも無いのですが、更にそれを補うことができるもう一つの攻略法が存在したのです。

 

当時は良くシマの端に大当たり回数を正の字で記録している店や台上にある札をめくるスタイルが多かったのですが、中にはそういった情報を一切掲示していない店もありました。

 

T店は後者でしたが、カウンターの側に店員が記入する為のバインダーが置いてあり、メダルを補給した台番と回数が記録されていましたので、夕方からこれを覗き見れば昼間どの台が出ていたかを知ることが出来たのです。

 

データ表示器が無い時代にこれはかなり強力な武器になりました。

 

T店ではそれを根拠にしてある程度自信を持って台を選べていましたし、他にライバルらしき者も皆無という状況。

 

こんな美味しい状況であれば自分一人で細く長く維持していけば良かったものを、パチスロなど触ったことの無い友達まで誘い込んで皆でワイワイやりながら打つことを選んでいました。

 

一番勝った奴の奢りでご飯を食べに行ったり出来ればそれで良かったのです。

 

それでも半年くらいは通わせていただいたであろうか。

 

8.5枚くらいの交換率でもバイトするより良かったんですから、かなりの確率で高設定を掴めていたと思います。

 

結果的には寄ってたかって抜くようなことはせず、夕方から賑やかしに行くくらいで丁度良かったのかもしれません。

 

この店ではパチスロの他に一発台のターゲットⅠ、羽根物のポップアート、うちのポチⅡ、デジパチのブラボー極Ⅱ等を打っていた記憶がある。


店員さんやオーナーとのコミュニケーションも良好でアットホームな環境でした。


もうこの先、あんな雰囲気で打てることなんて無いんだろうなあ。