『エヴァ』を作ることで周りの心は補完したけれども、自分の穴は埋められない（『パラノ・エヴァ』）

なんで男の子はガンダムが好きなんだろうって考えていました。

なんで男の子はロボットに憧れるんだろう、、、、巨大なロボットをなぜか人間の形にするという不合理を採用して、そして自分が乗り込むのだろう、と。

四足歩行から二足歩行に切り替わった人間を巨大ロボットで再現するというのは不合理です。簡単に言えば、たとえばそのロボットは足をひっかけられるだけでバランスを崩し倒れるでしょう。

また乗り込まないで、遠隔操作でも良いはずです。

なぜ男や男の子はガンダムが好きなんだろうって、ガンダムのマグカップでボーンブロスを飲みながら考えていました（笑）

（初代が好きです）（あ、ちなみに赤い彗星のシャー専用ザクのマグカップも持っています）

そしてふとひらめいたのは、「あ、ガンダムやエヴァは大周天なんだ」ということです。

ひらめきというほどのことも無いのですが、なんとなく納得してしまいました。

巨大ロボットに乗る、もしくはそれと一体化するというのは、情報空間において情報的身体を巨大にするということの文字通りメタファーなのではないか、と。

車に乗ると性格が変わったり、特にトラックの高い運転席から町を見下ろすと性格が変わります。

自己が拡張されたような感覚に囚われます。

これは誤解といよりは理解に近いように思います。

着ている服で性格の意味でのキャラクターが侵食されたり、制服（と役割）によって人格を乗っ取られたりします（スタンフォード大学監獄実験など）。

でも、最近の「まといのば」の流行で言えば、それよりも身体自体をアップデートするオイルトリートメントのほうが大周天をリアルに大きくできるのに、、、、って思いますね。

もちろんガンダムもエヴァも最高ですけど

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パラノ・エヴァンゲリオンの編者である竹熊健太郎さんが庵野監督との初対面エピソードをこんな風に話されてます。

『エヴァ』を作ることで周りの心は補完したけれども、自分の穴は埋められない

すごいセリフです。

竹熊　庵野さんと初対面の時に、吉祥寺のベトナム料理屋で飲んだんですよ。

それでボツボツと話してて、なんか『エヴァ』を作ることで周りの心は補完したけれども、自分の穴は埋められないっていうことをATフィールドを張りながら言ってて。

庵野秀明パラノ・エヴァンゲリオン

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ファンとしては面白すぎる発言です。

『エヴァ』を作ることで周りの心は補完したけれども、自分の穴は埋められない

と、庵野監督がATフィールドを張りながら、おっしゃっていたそうです

（ここからは一応、用語の解説的なものです）

ATフィールドというのはバリアみたいなものです。結界ですね。

人類を襲う謎の「使徒」たちと（それを模倣して作った）汎用人型決戦兵器のエヴァンゲリオンのみが使うことができます。

通常兵器では破れない強度を誇ります。

ちなみに最後のシ者であるところの渚カヲルくんによれば、ATフィールドとは人間誰しもが持つ「心の壁」だそうで、そして全人類のATフィールドを無くすこと、すなわち人類の「心の壁」を消失させることが人類補完計画です（多分）。

ということはアルファベットという会社がG社などを使ってやっているのは人類補完計画なのかも。

自分の穴は埋められないとは、マイク・タイソンを思わせますね（そして村上龍さんを）。

c.f.だが、ひとつわかったことがある。どれも俺の心に開いたでっかい穴を埋めてくれなかったことだ。 2021年01月26日

庵野監督も同じことをおっしゃっています。

でも、こういう仕事って「飢え」じゃないですか。物を作るというのは、飢えてて、ガツガツ食うかわりに、何か作るわけです。それは空いている（心の）穴を埋める作業だと僕は思うんです。僕のは他の人に比べて、穴がやたらとでかくて、けっこう深いので、スコップ程度じゃ足りないんです。もうダンプカーでガーッと毎日毎日往復してないと、埋まった気にならないです。それでも全然底が見えない。

創作とは「飢え」とは、JobsのStay hungryを思わせますが、Jobsよりはるか以前のセリフです。

そして、何かを作るとは「空いている（心の）穴を埋める作業」と定義し、自分の穴がやたらでかくやたら深いと言います。

お前たちはスコップでなんとかなるかもしれないけど、俺はダンプカーでそれも「毎日毎日往復してないと、埋まった気にならない」、それどころか、それでも全然底が見えないのです。

まさにエヴァそのもの。

穴というより沼ｗ

深い深い底なし沼。

（でも最近、底が見えたらしい！）

というわけで、庵野さんの次回作シン・ウルトラマン楽しみですね！

庵野さんと言えばウルトラマンのイメージがあるだけに楽しみです（逆にゴジラにはそれほど思い入れはないとも昔々のインタビューで話していました）。

僕らも自分の心にぽっかりと開いた穴をまず見つけましょう！！

そこから目を背けるのではなく、直視することから始めましょう！！

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今回は薄くなって、圧倒的に携帯しやすくなったようです！！

こちらも11年目にして「シン・苫米地手帳」ですね！