富を創出する人々を罰するような税金は人気があるが、バカげているし、間違いなく自殺行為に等しい。 | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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ロバート・フロストの「良き境界は良き隣人をつくる」を最近、繰り返し口にしてしまいます。

 

これはおそらく想像以上に重要なことです(誰のどの想像かにもよりますがw)。

 

ランダムネスを導入することは大事ですが、一方で境界も大事です(階層性と言い換えても良いですが)。

 

平たく言えば、成功するためには、どんどん混ぜたほうがいいけど、たまに「混ぜるな危険」もある、ということです。

 

良き境界は良き隣人をつくる」(ロバート・フロスト)という言葉はタレブも引いています(いや、ただタレブの場合はRutherford他という風に注が出ていますので、ロバート・フロストではないですが)。

 

よい垣根がよい隣人を作る:Rutherford et al.(2014)

(タレブの「身銭を切れ」の注)

 

日本語では「親しき仲にも礼儀あり」であるという方もいますが、意味がちょっとずれる気がします。

 

礼儀以前に隔離政策は有効なのです。

礼儀であれば、同じクラスターですが、クラスターを分けてしまい、棲み分けることで、良き隣人になれる気がしますが(いや、「隣人」であるなら「親しき仲にも」でも同じか、、、うーん)。

 

余談ながら、隣人という言葉のニュアンスの中には、当然ながら、キリスト教を煎じ詰めたあの概念を想起させますね。

 

ご承知のとおり、もしキリスト教を一言で表現せよと言われるならば、「汝の隣人を愛せよ」です(もしくは汝の敵を愛せよですね。Love the enemy)。

 

c.f.報酬系とメリットは糾える縄のごとし?? 〜皮膚運動学と5分間ユニバーシティー〜 2016年03月20日

 

*かつて「5分間ユニバーシティ」という話がありました。

5分間大学というのは、非常にシンプルなものだ。
たった5分で、大学を卒業して5年後にもまだ実際に覚えているようなことをすべて教える。
たとえば、、、経済学?? 簡単だ。受容と供給、それだけ!。
神学? 神はあなたを愛している。そんな感じだ!!

 

レンブラント『善きサマリア人』

 

 

彼に言われた、「律法にはなんと書いてあるか。あなたはどう読むか」。

彼は答えて言った、「『心をつくし、精神をつくし、力をつくし、思いをつくして、主なるあなたの神を愛せよ』。また、『自分を愛するように、あなたの隣り人を愛せよ』とあります」。(サマリア人のたとえ、ルカ書10:26−27)

 

 

この5分間大学ならぬ、一言で表すシリーズはかなり使いやすいので、では、たとえばユダヤ教ではどうでしょう?

 

「自分の欲しないことを他者にするなかれ。これこそが律法(トーラー)の精髄である。残りはこの戒めの注釈にすぎない。さあ、行って学びなさい。」とラビの大ヒレルは旧約聖書「レビ記」19章18節に基づいて言った。

 

とタレブは注で書いています。

 

 

すなわち、トーラー全体を一言でまとめると、

 

「自分の欲しないことを他者にするなかれ。」

 

ということです。

 

*トーラーというか、タルムード。

 

 

またその訳注として、こう書かれています。

 

(この大ヒレルの言葉は)ある異教徒がやってきて、「片足で立っている時間内にトーラー全体を説明してほしい」と頼まれたとき、大ヒレルが発した台詞。

 

である、と。なるほど。

 

 

こうなると、レビ記19章18節も知りたくなりますねw

大ヒレルがレビ記19章18節に基づいてこのことを言ったとあるからです。

 

ですので、手元にあるトーラーを開くとw

 

 

18 あなたはあだを返してはならない。あなたの民の人々に恨みをいだいてはならない。あなた自身のようにあなたの隣人を愛さなければならない。わたしは主である。レビ記19章

 

 

目を疑いますよね。目を疑うというか、驚くかと思います。

 

そう、ここに隣人愛が真っ直ぐに出てきます。

 

あなた自身のようにあなたの隣人を愛さなければならない。」と。

やはりキリスト教というのは、ユダヤ教なのです(雑かっ!)。

 

イエスはやはり、律法を廃しに来たのではなく、完成しに来たのです。

 

わたしが律法や預言者を廃するためにきた、と思ってはならない。廃するためではなく、成就するためにきたのである。マタイ5:17

 

 

脱線したので、もとに戻します!

 

いや、もう少しお付き合いくださいw

 

タレブは「レビ記はハンムラビ法典の規定を和らげたものだ」と言います。

 

*タレブが繰り返し言及するハンムラビ法典!

 

 

ハンムラビ法典はかつては世界最古の法典と呼ばれていましたが、実際はシュメール法典をもとにしています(すなわち、最古ではありません)。

 

そうすると、ざっくり言えば、

 

シュメール法典 → ハンムラビ法典 → レビ記 → キリスト教

 

という流れが見えます。

 

すべての物語や神話の源流は旧約聖書(ユダヤ教聖典)に行き着くとされますが、実際はラスボスにシュメールが控えています。

 

エデンの園がシュメールであるように(そして風水の龍脈の源泉である須弥山(しゅみせん)もそうであるように)キリスト教の源流もシュメールへと行き着きます(陰謀論系だとシュメール人は宇宙人とのハイブリッドだったりしますね〜)。

 

*須弥山がなにかバベルの塔にも見えてくるかもw

 

ちなみにケインズもニュートン研究でシュメールの名を出していますね。

ニュートンは最後のシュメール人だと。理性の時代に属する最初の人ではなく、と(かっこいいですねーケインズ)

 

 

ニュートンは理性の時代に属する最初の人ではなかった。彼は最後の魔術師であり、最後のバビロニア人でまたスーメル人であり、一万年には少し足りない昔にわれわれの知的遺産を築き始めた人たちと同じような目で、可視的および知的世界を眺めた最後の偉大な人物であった。(ケインズ『人物評伝』)

 

 

 

*バレエの源流であるバレエ・リュスの踊り子を舞台で見初めて、猛アタックの末に結婚したケインズ。

 

(というわけで寺子屋「シュメール」講座のビデオ教材は発売中です)

(エデンの園がシュメールというのは、エデンにユーフラテスが流れているからで、バベルの塔はジグラットであり、ノアの方舟でお馴染みの洪水伝説はシュメール神話の洪水伝説のパクリです)

 

第四の川はユフラテである。創世記2章

 

*バベルの塔とはシュメールのジグラットと言われます。シュメール語は言語学的には完全な孤立した言語ですね(まさにバベルの塔)。あ、ちなみにカタコト多言語というセミナー企画(ずいぶんと長くお蔵入りしていた企画w)を今冬から復活させるかもです!!

 

9 これによってその町の名はバベルと呼ばれた。主がそこで全地の言葉を乱されたからである。主はそこから彼らを全地のおもてに散らされた。創世記11章9節

 

*シュメールのものではありませんが(残っていないので)、その後のジグラットです。

 

 

というわけで、無理矢理に話を戻します!!

 

いわゆるランダム性というのが「まといのば」の肝の一つです。

ランダム性を確保するのは大事です。

 

なぜならそもそも世界の中心、もしくは我々が信じるパラダイムの中心にはランダム性があるからです。

(その衝撃に耐えられなくて、ゲーデル先生に続いてチャイティン先生も、、、)

 

c.f.世界の中心で愛(ランダムネス)を叫ぶ 〜プラトン主義の夢の終わり〜 2016年11月17日

 

 

 

そして、「混ぜる、混ぜる」というスローガンは大事です。

わざと複雑にし、わざと合わなそうなのものを混ぜることで、化学反応を起こそうとします。

(かつてLUBの説明の際にも、遠い点を選べと言いました。遠い点にすれば、否が応でも抽象度は上がるのです)。

 

だからこそランダムネスを放り込むことは大事です!

 

 

しかし、一方で境界も大事です!

 

良き境界は良き隣人をつくる(ロバート・フロスト)

 

です!

 

 

とは言え、ゲーテッドコミュニティが良いわけでもなく、一方で何でもありもダメです。

うまく境界をつくっていくことです。

おのおのが判断しながら、上手に境界線を引くことです(だから、政治家や知的バカたちが勝手に引いてはいけないのです)。

 

腸壁という境界そして皮膚が体内と体外を決めています。

皮膚と腸壁はトポロジカルには同一平面上にあります。

(その境界を破壊するようなアルコール消毒は「ダメ絶対」ですw)

 

ホロビオームを構成する非人間的細胞はあなたの健康と安らぎに欠かせないが、あなた自身の細胞はこうした「他の」細胞を部外者と認識している。微生物叢から情報や栄養を受けるのは、彼らが境界の向こう側にいる限りは結構なことだ。詩人ロバート・フロストが『メンディング・ウォールズ』に書いたように、「良き境界は良き隣人を作る」。あなたのバグは親友だが、境界の向こう、すなわち皮膚や腸壁の外にいる必要がある。(ガンドリー『プラントパラドックス』)、

 

 

 

境界は大事ですし、境界があれば、腸内細菌叢もハッピーですし、我々もハッピーです。

ここでは「混ぜるな危険」なのです。

 

 

で、最後に、、、混ぜてはいけないのかもしれませんが、ここでもう一つ二つ議論を打ち込んで終わります!

 

 

まず一つ目はタレブ批判です(2つ目はタレブの議論の肯定的な紹介ですw)。

(ここで書かないと、この先書くことがないので、あわてて書いておきます!重要なことなのですが、紹介する暇がないので)(逆にここで書いたら、この先も繰り返し紹介できます)。

 

タレブは尊敬できる人ですし、我々も大いに学び、参考にさせてもらっていますが、今回のCovid19をめぐる問題に関しては、多少違和感を覚えています。

 

その違和感とは、「身銭を切れ」を読んだときからあった違和感です。

すなわち、今回のCovid19をめぐる騒動でのタレブの議論は、変節ではなく、真っ直ぐに著書のとおりということです。

 

というわけで、その点を具体的にタレブの近刊から確認しましょう!

 

 

 

まず第一に「チェルノフ限界」について、反論する気はありません。

 

チェルノフ限界は次のように説明できる。浴槽で溺死するアメリカ人の数が、来年2倍になる確率は、人口や浴槽に変化がないと仮定すると、宇宙の一生の数兆倍に1回というレベルだ。しかし、テロの犠牲者が来年2倍になる確率については、同じことはいえない。

 

 

 

第二に、「リスクはみな対等ではない」のももちろん事実でしょう。

エボラ出血熱と浴槽での溺死者や、プールでの溺死者を比較するのは問題かもしれないと思います。

 

リスクはみな対等ではない。「エポラ出血熱の死者は浴槽での溺死者より少ない」とかなんとかいう屁理屈をよく聞く。ご丁寧に”証拠”までを引っ張り出してきて。これもおばあちゃんなら理解できるのに、中途半端な教育を受けた連中が理解できない問題のひとつだ。

 

増殖的でシステム的でファットテールなリスクと、増殖的でなく特異的なシン・テールのリスクを比べてはいけない。

 

繰り返すが、私が危惧するのは、ある人の死と別の人の死とのあいだにある相関だ。心配すべきはシステム的な影響、つまり発生した場合に複数の人々に影響を及ぼしかねない物事なのだ。

ここで復習を。ランダムな事象は、月並みの国の事象と果ての国の事象の2種類に分類される。月並みの国の事象は、シン・テールで(裾が薄く)、個人にのみ影響を及ぼす(集団との相関はない)。果ての国の事象は、その定義から多くの人々に影響を及ぼす。したがって、果ての国の事象は月並みの国にはないシステム的な影響を及ぼす。流行病のような増殖的なリスクは、常に果ての国に属する。インフルエンザのように、致死的なものとはかぎらないが、それでも果ての国に属することは変わりない。

 

 

ただ、今回のCovid19に関しては、手を突っ込んではいけない複雑系に手を突っ込んでコントロールできるという傲慢を示しているような気がしてなりません。

 

感染モデルはあくまでも現実の矮小化・単純化の例であり、これほどまでに機能しない以上は、そのモデルを放り出して、新しいモデルを採用するべきかと思います。

 

「まといのば」としては、むしろより深刻な感染症の例として、考えなくては行けないと思うのは(それでもロックダウンの必要はありませんがw)、肥満、糖尿病、癌、アルツハイマー、自己免疫疾患の拡大です。これは明らかに感染症モデルが適用できるものです。実際に広がっていますし。

(使えない感染症学会に扱って欲しいという意味ではありません。そうではなく、これらは純粋に個人の問題ではなく、システムの問題だと言っています)。

 

 

ラストにタレブが富裕税について語っている部分を紹介して終わります!

これは素晴らしいと僕は思います(ピケティは間違っているのです。終身在職権を持ち安定した人には動くものが見えないという好例かと思います)。

 

「まといのば」は税金は人を罰するためにあると考えます。

ですから、たばこ税や酒税はどんどん上がります(では、所得税や消費税や法人税は、、、所得や消費や法人を罰しているのかと言えば、おそらくそういうことなんでしょう)。

(税金のおかげで我々のインフラが、、、というのはお子様向けの議論です。お子様ももはや騙されません。

宝くじや公営ギャンブルでインフラも作られていますが、宝くじや公営ギャンブルを推奨するでしょうか?

寄付でもインフラは整備できます)

 

 

富を創出する人々を罰するような税金は人気があるが、バカげているし、間違いなく自殺行為に等しい。100を稼いでも手元に20しか残らず(税引き後)、しかも富裕税の名目で貯金を少しずつ削り取られていくようでは、一攫千金のリスクを冒すのがバカバカしく思えてくるだろう。そうなると、富を生み出さない学者やフランス式の公務員にでもなるほうがよっぽど得策になってしまう。この断面的な問題を時間水で見てみよう。たとえば、20年間の苦労の末に450万ドルを一気に稼ぎ出した起業家と、(納税者のお金で)20年間にわたって同じ額を稼いだ経済学教授(年収22万5000ドル)とを比べてみよう。同じ収入に対して、起業家は75%で税金を支払い、残りに対して富裕税を支払うことになるが、終身在職権を持ち、日々レントシーキングに励む学者は、富を生み出さないくせに、収入の30パーセント程度しか支払わなくてすむ。(ナシーム・ニコラス・タレブ『身銭を切れーー「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質』)

 

 

これは本当に味わい深い良い文章ですね。

 

このような状況だからこそ、「一攫千金のリスクを冒すのがバカバカしく思えてくるだろう。そうなると、富を生み出さない学者やフランス式の公務員にでもなるほうがよっぽど得策」という世界と未来がやってきてしまっているのです。残念なことです。

 

 

 

 

というわけで、今回もいろいろと盛りだくさんでしたが、、、、これらは「混ぜるな危険」というよりは、実は一環したテーマがあります。それは、、、、(あ、文字数の限界が!w)

 

 

 

*業務連絡です。業務連絡というか、「まといのば」メンバーやその周辺の皆様への連絡です(多くの人には無関係な話ということですね)。

メンバーの森野くんに重大な背信行為が確認されたために、当面の間(少なくとも1年間は)、サスペンド(停学というニュアンスです)することにしました。この件は本人とも話し合っておりますし、今後も彼との関係を断つつもりはありませんが、スクールやセミナーなどのリアル受講を当面お断りするという形での処分です。