幸せな家族はどれも同じようにみえるが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある(アンナ・カレーニナ | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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成功するヒーラーはどれも同じように見えますが、失敗するヒーラーにはそれぞれのクリエイティブアボイダンスの形があるように思います。

 

*アンナ・カレーニナをイメージしたと言われるイワン・クラムスコイ作「見知らぬ女」(1883年)。僕はこれを大塚国際美術館で観ました(ここで展示されているのは、もちろんすべて複製なのですが、大塚国際美術館がすごいところは劣化してしまう芸術作品に対して、劣化しないタイムカプセルとして傑作たちを後世に残そうとしていることです)。

 

 

成功するヒーラーは、ゴールが明確であること、そしてそれに対して無邪気に突き進んでいること、周りが良い意味で見えていなくて、自分の関心だけに関心を持つこと、などがその特長です。

 

やはりまずはシンプルに自分がどこへ行きたいのかを自分に問いかけることが大切です。

 

リルケではないですが、「夜の最もしずかな時刻に、自分自身に尋ね」ることが重要でしょう!

 

何よりもまず、あなたの夜の最もしずかな時刻に、自分自身に尋ねてごらんなさい、私は書かなければならないかと。深い答えを求めて自己の内へ内へと掘り下げてごらんなさい。(リルケ『若き詩人への手紙』)

 

 

ヒーラーになりたい!、

特殊な能力を身に着けたい!!

気功師として活躍したい!

 

 

という、動機はとても素晴らしいものです。

 

そしたら、その動機をより深めていきます。

 

どんなヒーラーになりたいのか、誰の役に立ちたいのか、どんな風に喜ばれたいのか?

それをメモしたら、それをまたより深めていきます。メモしないとすぐに忘れてしまいます。

より具体的にしていくことです。

そして、どの「具体」に対して、心が動くのかを冷静に観察することです。

自分を冷静に外から観察することです。

 

「そうやって具体化すると自分の未来を制限してしまう、、、」という人がいますが、その発想が自分の未来を制限しています。逆説的ですが、絞ったほうが未来は開けるのです。

 

そして、この深めていく作業自体が喜びになるように習慣化していきます。ドーパミンがしつけるのです。

 

「モテたいとか」、「お金持ちになりたい」、「友達をたくさんつくりたい」、「健康になりたい」、「幸せな結婚をした」というような動機も良いことです。でも、それはゴールではなく、いわばゴールの原石です。でも原石だけでは輝きません。

 

それらを深めていくことです。そのままではブート(起動)しないのです。

具体的にしていくことです。

「モテたい」ってどういうことを自分はイメージしているのかを自分に問い続けます。

「お金持ち」とはどういう状態を自分はイメージしているのかを自分に問いかけます。

 

この作業をとことん具体的にやっていきます。

そして自分の心が動く方向へずっと深めていくのです。

 

平たくいえば、我々がゴール設定に失敗してしまう理由は、ゴールではないものをゴールだと考えるからです。

自分がゴールだと思っているものは、ゴールではなく、ゴール設定のための種であり、スタートなのです。

たとえば「モテたい」とか「お金持ちになりたい」がゴールだと思ってしまうとアウトで、そこが端緒です。そこから深めていくと、ようやく自分のゴールが見えてきます。

 

 

ゴールを人には話していけないというルールがありますが、僕はそれ以前にゴールは人に話せる形で言語化するのが難しいのではないかと思います。

 

ですので、自分にとって、輝くゴールをつかめたら、他人にはわかりやすいものにして、提示します。

 

「自分はこんな踊りがしたい!」と思っていても、それを人に示すのは難しいので、「バレエ団でプロとして活躍したい!」という風に他人に提示するのです。

 

いわば、ゴールのアバターですね。

 

そして、そのアバターは本質的にはゴールではないことによって、どんな風に攻撃されても、本体は傷つかないのです。

 

ですので、その人はどんどん成功していきます。

 

その様を見て、多くの人はその写像でしかない(影でしかない)アバターのゴールを、良いゴールなのだと勘違いしてしまい、自分も同じようにしようとして、失敗します。

 

ほんとうのゴールはよく見えないものです。それは本人にとっても同様です。

それを見つける努力をしたものだけが、それ相応の結果を得られるのです。

 

 

それが結果的に悲劇となり、近代文明の象徴である鉄道に飛び込むことになったとしても。

 

 

 

p.s.ボリス・エイフマン率いるエイフマンバレエの「アンナ・カレーニナ」も素晴らしかったです。

 

*トルストイの「アンナ・カレーニナ」の冒頭はあまりに有名です。

幸せな家族はどれも同じようにみえるが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある(アンナ・カレーニナ)

*小説では嫌な奴として描かれているアンナの夫(カレーニン)を妻を愛する良い夫としてバレエでは表現していて、それがまた悲劇性を高めていて良かったです!