この天と地のあいだには、 人の哲学で思いも及ばぬことがいくらでもあるんだよ(ハムレット) | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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ガリレオ・ガリレイは月と石ころが同じものに見えて天文学の父となり、ニュートンは月と石ころが同じものに見えて万有引力の法則を発見しました。

 

アインシュタインは月に自我を認めました。いや、正確に言えば自分を含む生体もまた月と同じ物理法則に従っていることに気付きました(気づいたというか、直感を覚えたという感じでしょうか)。

 

 

アルバート・アインシュタインはこんなことを言っている。「もし月に自我があったら、月は、地球を回る軌道を永遠に回り続けながら、自分の意志で回っているのだと思って疑わないだろう・・・・・・それと同じように、人間より高度な洞察力とより完璧な知性を持つ存在が人間とその行動を見たら、人間がみずからの自由意志で行動していると思いこんでいる姿をほほえましく思うに違いない」と。(ロバート・H・ラスティグ『果糖中毒ーーー19億人が太り過ぎの世界はどのように生まれたのか?』)

 

ちなみに、最近よく質問されることに、情報は生命を持つのですか?というものがあります。

 

これはもちろん「YesかNoは情報の定義と生命の定義に依存します」と回答するしかないのですが、基本的にはYesです。

 

これについてはオカルティックな解釈やスピリチュアルな解釈だと思いがちですが、自由意志が無いと同じく、科学の世界では定説となりつつあります。

 

 

たとえば、最近の流行りの「ホモデウス」にはこんな一説があります。

引用ではなく要約すると、「生き物はアルゴリズムである。そのアルゴリズムは進化の過程で鍛えられた(高度化した)」、アルゴリズムは普遍的なもので、計算機によらない。そろばんでもスパコンでも計算結果は一致します。

 

この2つの議論から演繹されるのは、有機的なアルゴリズムにできることで、無機的な材料による計算機でできないことは無いということです。

 

 

とすると、あとは計算のスピードということになります。

計算のスピードが早くて、抽象度が高ければ、生命に見えて、そうでなければ無機物に見えます。でもどちらもアルゴリズムに従い、そのアルゴリズムのベースのベースは物理法則であることを考えると、抽象度を上げて見たら、月も我々も変わらないのです。

月も石ころもリンゴも我々も同じなのです。

 

実はこの議論は以前から我々にはお馴染みです。

 

最近紹介したのは、ホーキングです!

脳はコンピューターであり、部品が壊れたら動かなくなる、と。

 

 

I regard the brain as a computer which will stop working when its components fail. There is no heaven or afterlife for broken down computers; that is a fairy story for people afraid of the dark.

 

おそらく一番最初に紹介しているのは、ミンスキーです。

心は心だと思えないエージェントから構成されているという「心の社会」の議論です。

 

 

「この本で述べようとしていることは、脳にしろ、機械にしろ、とにかく心を持っているものなら何でも、それ自体では考えるということがまったくできないような、小さなものから構成されていなければならない、ということである。」(p.531マーヴィン・ミンスキー『心の社会』)

知能は、知能でないものからどうして現れてくるのだろうか。(マーヴィン・ミンスキー) 2014-02-11

 

ミンスキーは数学が苦手でコンピューターも実は苦手だったようですが(アインシュタインが数学が不得意で、ハイゼンベルクが光学が苦手だったように)、数学もコンピューターも得意だったチューリングは思考とは計算であると言い切ります。

 

バベッジの解析機関が完全に機械的な構成だったという事実は、逆に一種の迷信から目を醒まさせてくれる 2013-12-26 22:00:10

 

 

機械は思考するのか?とチューリングは問います。

世界の中心で愛(ランダムネス)を叫ぶ 〜プラトン主義の夢の終わり〜 2016-11-17

 

ものすごく画期的で新しいと思われる学説に感じられたとしても、それは僕らの無知とスコトーマによるのです。

 

ミンスキーやら、ホーキングやら、チューリングなどを復習すれば、ずいぶんと前から「新しい説」に我々は親しんでいたことに気付きます(R2-D2問題=フレーム問題については、チャイティンが鮮やかに反論しています)。

 

 

実際、理論的には問題が解けないということを理論家が証明できるというのはよくあることですが、ソフトウェアエンジニアは、普通はうまくいく、つまり適当な時間内に良い近似を与える巧妙なアルゴリズムを見つけ出すものなんです。私は、人間の知的能力というのはそれに近いものだろうと考えています。うまくまねができるようにわずかでも、少しずつ這い上がっていくのです。

(チャイティン「セクシーな数学」)

「現在私たちのロボットは上位20%以内にいて日本の6割以上の大学に合格できます」(新井紀子) 2018-03-13

*人間の知的能力だけではなく、進化の過程のすべての生物も同じかと思います。

*粘菌コンピューターなどは、無機物コンピューターよりも有機コンピューターのほうがフレーム問題をクリアできる可能性を示しています。

 

 

新しく斬新に感じることもその99%は既知のことで構成されています。

だとしたら、間違っている可能性が高い「新しい」ものにガンガン飛びつくよりも、足場を固めた方が良いかもしれません。

足場を固めた方が、遠回りをせずに真に驚くべき新しい理論に出会えるかもしれません。

 

この天と地のあいだには、 人の哲学で思いも及ばぬことがいくらでもあるんだよ。

 There are more things in heaven and earth, Horatio, Than are dreamt of in your philosophy. (ウィリアム・シェイクスピア『ハムレット』) .

 

 

 

【書籍紹介】

情報を整理にするには、良いのですが、面白くはありませんでした。

食物繊維を得るために、全粒穀物を薦めているあたりは、レクチンの議論は反映されていない感じです。機序に関しては整理されていて、面白いです。

 

以下は必須ですね!

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