「しかし、それは何度も繰り返されるのだ。その度ごとに初めての時のような残酷さで」 | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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「まといのば」では、バレエ・ヒーリング・美容の各種セミナーを行っております。

寺子屋「美学」は来週金曜日に追加開催します!!
今回は美学(前篇)として音楽の歴史を振り返りました。ただ音楽の歴史は絵画の歴史と重ね合わせてこそ面白いので、絵画についてもやりました!!来月の美学(後編)に音楽の歴史を振り返りつつ、絵画の歴史を振り返り、音楽と絵画から観る美学の全貌を探求します!!

*ただ非常に残念なお知らせがあります。今回は音楽と絵画を多用します。音楽についてはすべてYoutubeを使います。絵画についてGoogle先生に活躍してもらいます。
テクストというか参照資料が音楽と絵画ですので、どうしてもヴァーチャル教材が作成できません。
寺子屋50回目「美学(前篇)」と51回目「美学(後編)」は例外的にヴァーチャル教材無しとさせてくださいm(__)m



バッハの作品に「音楽の捧げもの」という有名な作品があります。


*大バッハさま(^^)、現在では「音楽の父」として知られるものの、当時は「バッハくんのお父さん」として知られていた。本人が高名になったのはメンデルスゾーンやモーツアルトのおかげ。天才が天才を知るのであり、大衆はそのおこぼれを預かるのみです。


カノン(輪唱)として知られている技法です(厳密には、二声が同時に始まっているのでカノンとは言えませんが)。逆行カノンであり、螺旋カノンです。逆行とは文字通り、楽譜を後ろから読むことで、後退カノンや蟹のカノンと呼ばれることもあります。

とは言え、シェーンベルクの12音技法では当然のものとして逆行を使いますし、ビートルズがテープを逆回転させたのはよく知られた話。その意味で歴史は繰り返します。

歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として

とはマルクスの言葉です。

僕はなぜかこれがずっとルルーシュ監督の「愛と哀しみのボレロ」の冒頭で語られていると思っていましたが、間違いでした(ちなみにこの映画、僕は何度見たか分かりません。特に子供のころに。というのも、両親が好きで幾度と無く見ていたからです。最初は全く意味が分からず、そして次第にジョルジュ・ドンに惹かれて行きました)。

「愛と哀しみのボレロ」の冒頭にはこう流れます。

人生には2つか3つの物語しかない。
しかし、それは何度も繰り返されるのだ
その度ごとに初めての時のような残酷さで


マルクスの言葉よりはるかに良いです(^^)

ウィラギャザーというアメリカの小説家であり、ピューリッツァー賞を受賞したジャーナリストの言葉です。

長々と脱線する前に、まずはバッハの「音楽の捧げもの」です。



演奏されているサイトは多くありますが、メビウスの帯にしているあたりが素敵です。
もちろん「ゲーデル、エッシャー、バッハ」などを読み返したくなりますね。



繰り返しと言うことで言えば、ソナタ形式というのは、洗練された繰り返しの形式です。
毎週のように原稿ならぬ楽譜を書き上げなければいけないという締め切り地獄をエレガントに切り抜けるために生み出されたのがソナタ形式であり、主題をどう繰り返すかがポイントです。
もちろん形式は音楽を聞く人にとってやすらぎをもたらしますし(反復は単純に心地よいので)、そして単純反復だと飽きるので転調したり、変奏したりして刺激をもたらします。


繰り返しと言えば、扉を叩く「運命」の4音だけを繰り返すのがバロックを乗り越えようとする、そして新しい時代を切り拓くベートベンの真骨頂です。

そして、同じくたった二つのメロディと一つのリズムを繰り返すのがボレロです。

なぜ、新しい時代を切り拓くのか、新しい試みをするのか?
そのカラクリはシンプルです。
前の時代の天才がこれまでの方法でやりつくしてしまい、ペンペン草も生えないからですw
オイラーやガウスがありとあらゆる計算をやりつくしたようなものです。
そこから数学は次のフェイズへ行かざるを行かなくなりました。

というわけで、「何度も繰り返される」歴史と音楽とメロディに思いを馳せて、今日の寺子屋もがんばりましょう!!


*愛と哀しみのボレロのあまりに有名なラストシーン。僕は文字通り擦り切れるほど見ました。数百回は見ています。なぜ数百回と言えるかと言えば、ある時期、毎日2年間見ていたからですw


ボレロと言えば今年引退されるギエムさんが若い頃から踊り続けています。
そしてこの方がボレロを踊った時は50歳でした(奇しくもギエムさんの引退の年齢です)。大往生だったと思います。ご冥福をお祈りします。

*マイヤ・プリセツカヤ「ボレロ」(ベジャール振り付け)


とは言え、舞踊も音楽も「いま」のものです。
古典音楽であり、再現されるのは「いま」です。音楽とは「時間」の芸術ですが、「時間」の芸術とは「いま」を永遠にする芸術ということです。

この7月に世界で活躍する日本人ダンサーが五反田に集合します!
こちらのdancerssupport.comの記事が雰囲気をよく伝えています!


チケットお申し込みはeプラスか、カンフェティまで!
僕ももちろん観に行きます!!会場で会いましょう!!


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