ハタで筋肉痛解消、ハタで柔軟性獲得、ハタでボディデザイン | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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四ツ谷にありますバレリーナ専門の気功整体「まといのば」のブログです。
気功師から見たバレエとヒーリングのコツを公開します。
「まといのば」では、バレエ・ヒーリング・美容の各種セミナーを行っております。

ハタが万能かと言えば、そんなことは無いと思いますが、かなり汎用性が高い技術であると思います。ハタによって、筋肉痛も解消しますし、柔軟性も獲得できますし、ボディデザインも思いのままです。

ハタというのは、ハタヨガのハタであり、経典に基いて(太陽と月でも、陰陽でも、呼吸でもなく)圧倒的な力という意味で使っています。シャクティであり、クンダリーニに通じる力です。

「力」というと筋細胞の中でのATPからADPになる化学反応を物理的なエネルギーに変える作用(どちらも電気的な相互作用の力ですね)を思い浮かべがちです。それは間違ってはいませんが、むしろ「意識」と考えるほうが良い気がしています。意識作用ですね。意識するということがハタの源泉かと考えています。

物理学で言えば、観測といえるでしょう。物理学と言えば、カリフォルニア工科大などのチームが重力波の証拠とされる現象を観測したそうで、STAP以上にワクワクしますねw
僕にとって、子供の頃からのヒーローで(いまでも尊敬している)佐藤勝彦先生が南部先生などに続いてノーベル賞を取ってくれればと勝手に思います。

リンクはすぐに切れてしまうので、日経から引用しますm(__)m

(引用開始)
宇宙誕生のナゾ解明? 米大が「重力波」観測

 138億年前の宇宙の誕生直後に発生した「重力波」の証拠とされる現象を、世界で初めて観測したと米カリフォルニア工科大などのチームが17日、発表した。生まれたばかりの宇宙の姿を解明するのにつながる成果。

 誕生時に非常に小さかった宇宙が急激に膨張したとする佐藤勝彦自然科学研究機構長らの「インフレーション理論」を、観測面から強く裏付けた。研究者らは「本当と確かめられればノーベル賞級だ」と評価している。

 重力波は、物体が動いた時に重力の影響で空間などが揺れて周囲に波のように広がる。アインシュタインが相対性理論で存在を予言したが、直接観測されたことはない。

 チームは、宇宙が生まれた38万年後に放たれた光の名残である「宇宙背景放射」と呼ばれる電波を、南極に設置したBICEP2望遠鏡で詳しく観測し分析した。その結果、宇宙初期の急膨張によって出た重力波が、背景放射の光に影響を与え、光に特定のパターンを生じさせていることを初めて発見。間接的に重力波の存在を確認したとしている。(略)
〔共同〕
(引用終了)

続報が非常に楽しみですね。


それはさておき、ハタです。

ハタというのは言い換えれば、猛烈な意識ということです。ただ猛烈な意識と言っても、しばしば言葉遊びになりがちなので、筋肉細胞の具体的な力感を上手に利用します。それを臨場感として用います。

ハタがよくわからないという人は、たとえば気功ストレッチと「まといのば」が呼んでいる静止ストレッチや、抵抗ストレッチなどを思い浮かべて下さい。アイソメトリックスなども同様です。多くのヨガの動きはもともとはこのストレッチ法です。ヨガは静止した状態で猛烈な力をいれます(少なくとも僕はそう習いました)。

ただ、それがリラクゼーションや脱力のブームに乗って、リラクゼーションと脱力を勘違いした結果として、そのような「力み」が敬遠されているのがいまの状況ではないかと思います。

ハタは猛烈な力ですが、いわゆる小手先の猛烈な力とは異なります。これを武道などでは「ナマの力」などと言います。身体の中心から(体幹からでも、丹田からでも)出てくる力がハタの力です。
合気道などの折れない腕(「曲がらない腕」などとも言うようですね)などのカラクリも同様です。

このとき力を抜いているのに、なぜ具体的に物理的な圧倒的な力が出てくるのか、という質問に対して、武術では「それが合気だ」などと回答してきました。

「まといのば」では、力を抜いても、実際に力が出ているカラクリは、筋肉の使い方の合理性にあると考えて、差分として説明してきました。ある関節の力は(腕なら腕の力は)主動筋と拮抗筋の差分だからです。思いっきり力を込めても、主動筋に力が入っている以上に、拮抗筋にも力が入っていれば、差引でゼロか小さな力になってしまいます。それであれば、力を抜いて、主動筋の力が小さくても、拮抗筋の力がもっと小さければ、その差分は十分に大きくなります。

これが合気のカラクリです。

ただ合気投げなどになると、「まといのば」が気功整体などで用いているコアなどの考え方が必要になります。

「まといのば」の気功整体師養成スクールでは、コアとハタは拮抗という点で同じであると教えています。

すなわち自分の身体の中で完結する相対する筋肉の拮抗はハタであり、他者の身体にも介入して、他者の身体の筋肉の拮抗を観るのがハタです。そして、両者の筋肉を統合して(つながっているとみなしてという程度の意味です)、拮抗させるのが合気であろうと思います。

ちなみに拮抗は筋肉に限りません。骨との付着部の起始停止も拮抗していますし、立位のときの足と床の関係も同じです。床を足が押し(地球に足が引っ張られ)、床が足を押し返しています。その拮抗によって、我々は立っています。

「まといのば」では武術家などを対象に寸勁などもシークレットセミナーをしたり、ヒーラーを対象に合気道のセミナーも開催しましたが、基本的には武術を教えません。それはゴールが無いからです(戦闘を目的としていない武術であれば、良いでしょうが)。武術よりは、実際にリアルに殺しあう場であるヒーリングのほうが、より実践の機会も多く必要性もあります。ですので、ヒーリングを教えています。
ただ武術的なエッセンスは学びのスパイスとしては面白いので、たまに導入します。
その意味で合気なども突き詰めていく気がしないのですが、もし興味があれば、突き詰めてみると面白いかと思います。


Yogaスクールの1期では、ともかくハタという概念を身体に入れることを目標としています。ハタが身体に入れば、そのまま鍛錬を続ければ、多くのほとんどのアーサナがらくらくとできる身体が手に入ります。その身体を元にして、知恵の輪を解くようにアーサナのコツを学びながら、アーサナを取得していくのが2期です。

ハタには数段階があります。

最初の段階は、本当に猛烈な力を具体的に出す段階です。これは全力でやります。
多くの人は全力で何かをする体験をしてきていません。ですので、これは新しい記憶を植え付ける意味でも具体的に全力を出すという経験をします。ちなみにこのときはケガをきわめてしやすいので、なるべく最新の注意をはらいましょう。

次の段階は、全力を出したときに、それがハタなのか、ナマの力なのかを見分ける段階です。トレーニングとしては、力を出す前の準備電位の状態が擬似的なハタと見なすのも方法です。ただこれだけをやってしまうと、次のステップへ行けないので注意が必要です。具体的に力を継続的に出しながらハタをすることがこの段階のゴールです。その持続的なハタの感覚を得られるのが三点倒立かと「まといのば」では考えています。しかしこの三点倒立ももちろん万能ではありません。最初の数回の試行のときの感覚を大事にして、その感覚を足で立っているときも再現できるようにいつもすべきです。三点倒立が「床を押す」感覚を教えてくれるわけではないのです。三点倒立を通じて、「床を押す」ことを学ぶ契機が得られるだけです。そのきっかけ(チャンス)を逃さないようにつかむことが必要です。三点倒立にはすぐ慣れてしまいます。そうするとあのマジックモーメントは二度と戻ってきません。

ある種の人々のことを僕はどうしても好きになれません(笑)。それは、寝そべっていてボタンを押せば、テレビのチャンネルが変わるように、世界が一変し、自分の身体も変わると妄想している天使さまたちです(天使ですので、想像の産物です)。リアルな世界に参入することなく、眺めるだけの天使さまたちは現実世界もチャンネルを変えるように手元で変えられると考えます。そのような天使の人には何を言っても無駄だと最近ようやく気付いたので、最近は「天使お断り」としています(冗談です)。

三点倒立が万能なのではなく(ハタが万能なのでもなく)、三点倒立はきっかけを与えてくれるだけで、そのきっかけは次の瞬間に、手から砂のようにこぼれ落ちるものなのです。ですから、手に入れた瞬間に、掴みきって、すべてを吸収して、自分を変えなくてはいけません。その瞬間に全力を尽くして、自分が変わらなかったら、二度とチャンスが来ないと思うべきなのです(というか、そのチャンスすら来ない人が大多数であることに思いを馳せるべきかとも思います)。マキャベリの言うように、チャンスの女神は前髪しかないのです。

ハタの最初の段階が具体的な猛烈な力であり、第二段階がナマの力との見分けであるとすると、第三段階はボディデザインです。身体を創り変えていく契機としてのハタです。ハタが正確に機能しているかどうかを判定するときに、自分の身体がどの方向に変わるかをチェックします。

そして24時間理想の身体になっているか、そこに近づいているようにハタを使うことが重要です。これは24時間ハタのポイントです。

ちなみに四点と呼んでいるプッシュアップもハタです。三点倒立よりは、リスクが少なく全身ハタを感じやすいので採用しています。

実際はPushUpではなく、Orzのポーズでも良いのです。四足でも良いのです。


ヨガの3月開催組、そして気功整体師養成スクールでは、ボディデザインということをかなり口やかましく言ってハタをやってもらっています。
ハタも変に慣れてしまい、イメージトレーニングのなれの果てのような酷いハタもどきをして、やった気になる人が出てくる前に、系を移動させたいと思っています。

そのときの身体は理想的な身体であり、強いて言えばアメリカン・コミックスのヒーロー(女性も含み)のような身体です。

ちなみに多くの人は、美しい身体に憧れながら、その身体になれるチャンスがあるとそれを拒否します。これは別に身体に限らず、どんなことでもそうです。
チャンスがあり、明らかにうまくいくことが分かると、尻込みするのです。なぜなら、すべてが一変するからです。昔の「ダメな自分」を愛しているからです。「昔の」とか「ダメな」などの文学的表現を嫌えば、ホメオスタシスということです。恒常性を維持します。恒常性を維持するということは、変化を拒否するといことです。刺激は好きですが、変わるのは嫌なのです。だからチャンネルを変えて、テレビ番組が変わるような世界を望んでいます。それはブラウン管の前か(古いですね。液晶でもプラズマでも)、コンピュータの画面の前にしかありません。

もし、自分の身体が変わることを受け入れるならば、身体は変わります。しかしそこでもまたホメオスタシスが邪魔をします。我々は根気よく、赤ちゃん犬にトイレをしつけるように根気よく、ホメオスタシスをしつけて、新しい理想的なボディを通常のものとしてホメオスタシスに受け入れてもらいます。これには長い時間と訓練が必要です。ただやるだけの成果は出ます。愚直に続けることです。