神から見た自殺、神から見た数学の歴史 | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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四ツ谷にありますバレリーナ専門の気功整体「まといのば」のブログです。
気功師から見たバレエとヒーリングのコツを公開します。
「まといのば」では、バレエ・ヒーリング・美容の各種セミナーを行っております。

先日のシークレットセミナーで紹介した書籍のリンクを張ります。

まずデュルケームの自殺論。
もはや古典ですが、統計を使うことで「神の視点」を得られることが生き生きと理解できる傑作。
神の視点とは大局的な視野とも言うべき視座のこと。

自殺はきわめて個人的で一回性のものでしかありません。それは人生がそれぞれ個別具体的であり、ユニークであることと同じです。しかし統計的視座を持つと「誰が」ではなく、「群集」の中で一定の割合で同じことが起きることが分かります。
これは熱力学と似ています。
それぞれの分子の運動は予測不可能にランダムにブラウン運動を繰り返していますが、全体の傾向は容易に想定できます。お湯と氷水を混ぜたら、その分子運動の平均値(すなわち温度)は分子運動の予測不可能性とは別に簡単に計算可能です。

問題
0度の水と100度の水をそれぞれ100gずつを一緒に混ぜました。何度になるでしょう?

というのは小学生の理科です。いや算数かもしれません。

しかし水の分子運動はランダムで、微視的にはカオスですが、巨視的には計算可能な安定した状態です。
これが確率論の視座のイメージです。
これを「神の視点」とここでは呼びます。


IQが高いとしばしば未来予想が可能になります。そのポイントの1つにはこの確率論があります。もちろん本質的なポイントは抽象度の高さであり、抽象度が高いと低い人が見えないものが見えるのです。

「あなたは3年後に3歳年をとるでしょう」という予言は笑い話ですが、このような予言には満ちあふれています。
セミナー参加者の方が改題として「あなたは8年後に10歳の子供を持つ母となるでしょう」というのを披露してくれました。2歳の子供を持つ母なら高い蓋然性で予言は成立します。

自殺論 (中公文庫)/デュルケーム

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次に「神は数学者か?」という刺激的なタイトルのこの一冊。

数学史を一覧しつつ、かつ我々側の視点で見せてくれます。
我々側の視点というのは定義しづらい感覚ですが、逆を考えてみましょう。
いわゆる数学史というのは、数学オタクで数学崇拝者が書いた数学賛美の歴史になりがちです。それはそれでどっぷりとはまると楽しいものです。
しかしこれはゲームの世界と似ていて、世界が閉じすぎているのです。
もっと生々しく現実と斬り結ぶ数学の世界の歴史、神や宗教、そして科学とワルツを踊る数学のイメージです。我々にとっても馴染み深い感覚だと思います。
タイトルだけを見るとちょっと「?」ですが、中身はまっとうです。
数学の歴史を高いゲシュタルトで一覧したい方にオススメの一冊です。


神は数学者か?: 万能な数学について/マリオ リヴィオ

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同じ著者による傑作。

黄金比はすべてを美しくするか?―最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語/マリオ リヴィオ

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