踊るために必要なのは筋力トレーニングではなくて | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

四ツ谷にありますバレリーナ専門の気功整体「まといのば」のブログです。
気功師から見たバレエとヒーリングのコツを公開します。
「まといのば」では、バレエ・ヒーリング・美容の各種セミナーを行っております。

バレエルームのBは内踝(うちくるぶし、ナイカ)です。内踝は地味ながら、非常に重要なポイントです。

高岡理論においてはウナと呼ばれる身体意識があります。
それをバレエ用に発展させたのが気功技術「内踝」です。

ウナ自体は圧倒的に素晴らしい身体意識であり、技法です。
しかし、バレリーナがウナを使おうとすると、ルルベしようとしているのにアテール(ベタ足)になってしまうというリスクがありました。
本質的にはウナは足裏ながら、床の接地面ではありません。それを理解していれば、ウナはいつも中空にあることが分かります。ですので、アテールもルルベもウナという身体意識にとっては大差は有りません。
ですが、それがいくら理論で理解されていても、実際に運用ということになると、とっさにそのような判断は無理です。
ですから、ウナという身体意識を放棄して、脛骨の終点である内踝(すなわちウナの中空版)を意識として鍛えます。

これはアテールを防ぐという現実的な問題以外にも様々な良い効果があります。
例えば、タンジュをするときに内踝を意識すると、質が変わります。つま先を伸ばすというよりむしろフレックスにして内踝を前方へ突き出すイメージです。相当にフレックス感が強くても、鏡などでチェックすると憧れのバレリーナの脚になります。これは10月から新しく始まるバレエルームの後半でより詳しく実践的に行います。

以下、バレエルーム講座B「内踝」のフィードバックです。

緑色の文字が頂いたフィードバックで、黒色の地の文でコメントを書いております。

(引用開始)

セミナーの場では、右脚と左脚の太さの差、立った感触の差を味わうことができました。
一瞬だけ体感できた高いルルベを維持できるようにしたいのですが、これは腸腰筋を受講するまで無理かもしれませんね・・・。

次回こそ受講したいと思います。つま先も。

帰り道では、足が軽く、というか、変な力を使わずに自然に動いて歩くというのを楽しむことができました。
が、翌朝起きたときに足が動かないほど重くなっていて驚きました。


内踝は、ウナの位置から脛骨の中心に気を流します。脛骨とはひざ下にある2本の骨のうち内側にある太い骨です。身体構造的にはその太い骨に重心線を乗せたいのですが、なぜか私たちは腓骨(ひこつ)という細い方の骨に重心を乗せてしまいます。そのために筋肉が余計に必要になり、脚が太くなります。
そして腓骨は細い骨で体重を支えるには不十分でかつ、腓骨の下には支えてくれる骨がありません。脛骨には距骨という頼り甲斐のあるサポーターがいますが、腓骨(ひこつ)にはいません。腓骨は足首の自由度を上げるための調整役であり、重心の支えではないからです。
ちなみに徹底的に腓骨側(外側)に乗れば、腓骨は外に膨らみ、それがO脚です。
O脚を膝の関節の接合の問題にだけ還元する人がいますが、それは単に現象の観察に過ぎません。
トートロジー(同語反復)です。O脚を別な表現で言っているだけです(まあ、それで治るならば、別に問題はありませんが)。

以下、フィードバックの再開です。


あれから1週間ほどの間に起きた変化についてまとめてみます。

まずは日常的 なものから。
踵が痛い、というのはブログで拝読していたので驚きませんでした。
(それにしても痛いですね。ちょっと辛いです)
左足をひねりながら歩いてしまう癖があり、左膝に負担がかかって痛みが出ていたのですが、これが2日で解消しました。
この癖の原因になっていた足首の捻挫の後遺症にも、日々変化が起きているようで、今まで動かなかったところが動くようになってきています。
捻挫してすぐに【内踝】ができていたら、こんなことにはなっていなかったのだろうと思います。
知らなかったのは非常に残念なことです・・・。
また、反り腰の姿勢が改善され、腰の痛みがなくなりました。
猫背になっているかどうかはよくわかりません。もともと前肩猫背なので気にしなくて よいかもしれません。


気功技術「内踝」にせよ「腸腰筋」にせよ、重心が急激に正常化すると踵が痛くなります。
踵重心になるので当然と言えば当然なのですが、驚くほど痛いので、骨を痛めたのかと思うほどです。
その重心をほとんどつま先にかけていたと思うとぞっとします。
つま先に重心をかけるということはピサの斜塔状態ですので、モーメントが働き、その負荷が増大します。
これが外反母趾と内反小趾の原因です。どちらも過負荷による筋肉の拘縮が原因です。
外反母趾の治療と称して骨に対してアプローチするバカが(失敬)、不思議な習慣が医療の世界にあるようですが、メスを使いたいなら自分の身体を切り刻めばいいし、練習台に使わないで欲しいと思います。
外反母趾に関しては筋肉をゆるめれば解消します。もちろん大前提として、重心の修正は必須です。
外反母趾に対しての気功技術は存在します。外反母趾が触れること無く、スプーン曲げのように動き治るのでパフォーマンスとしては最適です。ただ実際は踵重心に切り替えるという地道な作業が必要です。

踵重心による踵の痛みに対しては、足裏をよくパタパタと動かすのが最適です。
イメージで小麦粉を床にぶちまけて、それを子供の遊びのようにパタパタとはたきます。そうすることで足裏がゆるみます。マッサージはあまり効果がないので、骨にアプローチをするようにパタパタとはたくことです。

踵が痛いと再び重心が指に戻りかねないので、なるべく早くにこまめに踵の痛みを解消してください。パタパタとして。以下、フィードバックは続きます。


次にレッスンで気づいたことです。
内踝を意識することでつま先までの意識が自然なものとなり、タンデュなどにも余計な力みがなくなったようです。
自然に足を動かすことができるので、かま足になりにくくなったようです。
ルルベは講座のときほどの爽快感はないのですが、変な力みがなく自然に立ち上がるような時が増えてきています。
ふくらはぎが緊張していない立ち方は、とても楽で気持ちいいですね。
常にできるようになればもう太くならないでしょうね。

いずれにしろ、腰から下の神経が日々組み変わっていくような感触があります。
踊るために必要なのは筋力トレーニングではなくて、それらを動かす神経のトレーニング、ということなのでしょう か。
そのような実感が得られました。

(引用終了)

内踝が意識されると、つま先は明らかに変わります。バレエルームAの「奇跡のつま先」との連続受講は特におすすめです。Aで美しいつま先を作り、Bで使い方を覚えるイメージです。
タンジュが美しくなり、カマ足も防げます。
カマ足というのはつま先が力んで内側に入ることです。武道では正しいポジションですが、バレエではいけないとされます。つま先もアンディオールさせ外側に向けます。
このとき意識すると筋肉が緊張して大概は内向きになります。
形状から「バナナ」とか「バナナ足」という場合もあります。

つま先を意識するというより、内踝とスネを意識するとつま先はすっきりと美しく伸びやすくなります。

筋肉をコントロールし、無駄な筋力を使わずに済むようになれば、脚は細くなります。
繰り返しになりますが、足を鍛えて足を細くしましょう!というスポーツクラブの命題は奇妙です。もちろん浮腫(むくみ)を取るという面ではOKでしょうが、鍛えて代謝を良くして細くするというのは論理破綻しています。鍛えれば筋肉は太くなります。

この方のおっしゃるとおりで、鍛えるべきは筋肉ではなく、神経です。神経とは使い方の繊細さです。脳のトレーニングということです。


10月も引き続きバレエルームのプレパレーション編12講座は開催していきます。
ご期待ください。

ちなみにご要望が多かった一般向け(ヒーラー向け)バレエルームの開催も検討しています!