競輪のルールが変わるようです | まとばの公営競技つれづれ

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先日(と言っても結構前ですが)公式でルール変更の概要がアナウンスされました。

じゃあルール変更でレースがどう変わるのか考えます。

 

◆その前に

今回のルール変更は、事前に一部の選手がSNSで「ルール改悪だ!」と断片的な情報だけリークしました。

選手の情報管理もそうなのですが、最も酷かったのは、それを見た一部の競輪客が選手の言い分を鵜呑みにして「ルール改悪だ!」と叫んだこと。

 

今に始まったことではありませんが、競輪の低迷は全てJKAが悪い、選手は悪くないし可哀想、と考える競輪客が一定数存在します。

それ自体は個人の考えなので否定しません。

しかし片方の言い分だけを常に正しいと信じるのは思考停止、偏見です。

自分もJKAがセンスないことやってると思うことはあるけど、今回のルール変更がそうなのかはしっかり考えないと分からない。

まあ前科があるのでJKAに理解が集まらないのは自業自得の部分もありますが。

 

私が見た限りでは、具体的に今回のルール変更で何が変わって何が問題なのか、明確に示しているツイートを見ることができませんでした。

一方的かつ断片的な情報で決め付けず、自分自身で考えるようにしたいものです。

 

◆事前知識として

実は今回変更されるルールは、競輪の公式サイトに公表されているものだけではありません。

従来から公式の見やすい場所に載っているのは、失格に関するルールのみです。

競輪は失格以外にも重注、走注がありますが、これらの基準は公式には載っておらず、JKAの詳細な競技規則を見るほかにありません。

そのためか、今回も新たに重注となるルール追加に関して公式には出ていません。

 

全部出せよ、と思うのだけど、JKA的には以前から失格に関するルールしか出してないから、今回も同じで良いよね、ってことなんでしょう。

こういう部分は本当にセンスがないです。

競輪客が何を参考に車券を買うか理解していない。

 

◆変わること

まずは公式で発表されていることから。

画像はKEIRIN.jpから拝借しました、大きい画像は公式をご覧ください。

 

1.先頭員追い抜きの失格ゾーン拡大

従来は重注だったゾーンが失格になります。

 

これに関しては、4の暴走関連と繋がっているものと思われます。

死に駆けを防ぎたい、という意図があるのではないでしょうか。

以前は重注だったエリアを失格にしているので、厳罰化という表現が正しいのかもしれません。

 

過去を遡ればイエローラインの無い頃はもっと遅くまで誘導が残っていましたし、この変更でレースが大きく変わるとは思いません。

早期追い抜きは見方を変えれば周回誤認ですから、どこにラインを設定するか、という議論は別として厳罰化には賛成です。

 

 

2.先頭員への危険行為の厳罰化

書いてある通りなので特にコメントすることはありません。

厳罰化することでレースに与える影響もほとんどないと思われます。

 

 

3.先頭員の退避基準の変更

今回のルール変更で最も影響を及ぼすのはここです。

先頭員を追い抜いて良い地点以降は、外から先頭員に差し込んだだけで先頭員は退避します。

従来は先頭員を明確に追い抜かない限り退避しませんでした。

 

具体例として先日の岸和田。

5小林が初手で後ろを選択し、赤板で前受けした2武田を押さえています。

先頭員を利用して2武田の突っ張りを防ぎ、このまま鐘まで押さえて先頭員を交わして先行態勢に入る、競輪ではよくある光景です。

 

しかし新ルールでは、失格ライン以降は先頭員の外に差し込むと先頭員は退避します。

画像では5小林が先頭員に差し込んでいますから、

失格ラインの残り2周に達した時点で、先頭員は退避してしまいます。

 

そのため、先頭員を利用して押さえ先行をする戦法は非常に困難となります。

どうしてもやるなら、先頭員に差し込まない、この場合だと2武田と併走状態で留まる必要があります。

 

前受けする選手から見れば、誘導が決まった場所で退避するので、突っ張りやすくなる、外から押さえている選手が先頭員に差し込まなければ、その選手を外に押圧しながら突っ張ることもできる、ということで今までより選択肢が増えます。

ちょっと先頭員に差し込むだけで退避しますから、自ら先頭員を退避させることも容易になります。

 

押さえ先行でない場合でも、初手で後ろになると前からの突っ張りを警戒して、今までよりスピードを上げて上昇することになりそうです。

これは公式には出ていませんが、一部の関係者が先頭員の誘導スピードが速くなるという情報を漏らしています。

それも加味すると、新しいルールは今までと比べて前受けが圧倒的に有利になるものと考えます。

 

4.暴走の厳罰化

今までは「通常より相当早くスパートして」と曖昧な表現になっていましたが、鐘より前に、と基準が明確になりました。

また失格となる基準も6秒から5秒と短縮されています。

333走路と500走路で同じ基準なのはどうなのかという点と、500走路は先頭員を追い抜ける位置が鐘以降なので、鐘より前にスパートしたら誘導追い抜きで失格じゃん、という点がツッコミどころでしょうか。

 

現行の制度で暴走による失格を取られたケースを見たことがありません。

一応基準が明確になって6秒から5秒になりましたが、果たして失格を取られる選手が出るのかは疑問です。

しかし5秒に変更したということは何かしらの理由があるはずで、

過去に5秒台のレースがあったのでは、と推測することも出来ます。

これは始まってみないと分かりませんが、大きくレースに影響することはなさそうです。

 

 

ここまで見ると、JKAの意図として

 

・暴走行為の防止

・曖昧だった基準の明確化

 

があるように思います。

個人的にJKAに要望したいのは、ルール「改正」と称するなら、その意図を明示して欲しい。

改正=文字通り正しくすることなのだから、既存のルールのどこが問題で、どのような意図で変更したのか知りたい。

 

公式にリリースされたものはこんな感じでしょうか、表に出ていないルール変更も時間があれば記事にします。