Aクラスのドン、あやめ。
うちの塾の中3は、Aクラス(学力下位層クラス)とBクラス(学力上位層クラス)に分かれている。
おれが担当しているのはAクラス。Bクラスの数学はマサキ先生という女性の先生が担当している。
マサキ先生はおれの一個下の現在大学2年生で、
美人でおしとやか髪はサラサラと女生徒から大人気だ。しかし数学はあまり得意でないため、
『難しい問題を質問するときはハイジ先生に聞きに行く』
というのが生徒たちの暗黙の了解となっている。
おれはBクラスを持ちたかったのだが、うちの塾は女子が多く、男子はあふぉばっかりなのでAクラスに問題児の男子がたまっている。
だから女性のマサキ先生には任せられない、ということでおれが担当しているというわけだ。
さて、そのAクラス。今日も授業があったのだが、かなりの問題クラスで、中にはシャーペンすら握ることが出来ない生徒もいる。
そのAクラスの問題児たちのトップたる存在があやめだ。
あやめが騒げばAクラス全員が騒ぐ。あやめが静かならAクラス全体が黙って授業を聴く。
あやめの影響力はそれほどのものなのだ。
そのあやめ。決してとてつもないあふぉというわけではない・・・とおれは思っている。
おれはあやめには抜群の数学に対するセンスがあると日々感じている。
明らかに他のAクラスのアフォ共とは違い、あいつにはやれば伸びる才能があると俺は思っている。
・・・・・他の職員、学生講師はそうは思っていないが。
だが、悲しいことにあやめは一切の努力をしない。
宿題もしない。 居残りになっても黙って帰る。 授業中は本を読んだり携帯をいじったり・・・。
しかしそれでもあきらめきれないハイジ先生。
先週行われた中間試験の前、なんとか全力であやめにやる気を出させ、1から10まで完璧に教え込んだ。
宿題、授業プリント、学校のワーク・・・。すべての面倒をみた、授業終了後も無給で。
あやめの定期試験の数学、過去最高は70点台。
おれは今回のテストで絶対あやめに過去最高点をとらせたかった。
そして結果が返ってきて。。。
数学の得点、100点満点、76点・・・。
ハイジ 『ぬはぁぁぁぁぁぁぁ( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚』
おれは吠えた、教務室中に響き渡る声で。
『ハイジ先生、キモっ!』 生徒たちは言い放った。
あやめ 『ハイジ先生、ちょっと・・・。』
・・・廊下の端から小さな声であやめがおれを呼ぶ。
ハイジ 『テストおしかったな。 お前ならもうちょいいけると思ったんだが。 ・・・んで、なんだ?』
あやめ 『ウチね、先生に黙っとったことがあると。 誰にも言わんでよ?てか絶対聞いたあと怒らんでよ??』
ハイジ 『なんだよ、黙ってたことって。。。』
あやめ 『絶対言ったあと怒らん??』
ハイジ 『ああ。怒らんけん言ってみ。』
あやめ 『絶対怒らんでよっ!?』
ハイジ 『しつけーよ(`Д´)ノ゛!! いいから早く言えよ。』
あやめ 『ウチね、テストんときね、問題用紙に「=(イコール)」書いてあるのに、
解答用紙にも「=」を書いたとって。 15問も・・・。』
ハイジ 『・・・・。 それで、その15問どうなったと?』
あやめ 『1点ずつ減点・・・。』
ハイジ 『ってことはそこさえミスってなかったらあと15点あったってこと?
・・・・91点やん∑( ̄□ ̄;)!!』
あやめ 『・・・うん。 まぁね。 でもまぁ過ぎたことをゴチャゴチャいったってさ・・・』
ハイジ 『何しでかしとんや、この馬鹿ヽ(`Д´)ノ゛!!』
あやめ 『えぇぇぇぇーー(°Д°;!!
怒らんって言ったのに!嘘つき!』
ハイジ 『それとこれとは話が違うわヾ(。`Д´。)ノ!!』
あやめ 『どんだけー(°Д°;!!』
どっちが生徒だろうね、うん。
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