前時の「シェルピンスキーのガスケット」の後は,同じく学期末の特設授業「パスカルの三角形」を扱います。夏の研修で,「ガスケット」と「パスカル」がつながっていることを知ったので,以前の実践とは異なる展開を考えました。
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「1,11を使って」と書いて,「1」から始まり,それに「11」をいくつかかけていきます。これは数学であれば「11のn乗」で統一できる(11の0乗は1)のですが,小学生なのでこのように扱わなければなりません。
11の3乗が「1331」となったところで,計算をせずに次を予想させます。全ての児童が「14441」と予想しました。これは数字の流れを考えると当然のよそうです。誰しもが自信を持っています。ところが実際に計算してみると「14641」となりました。予想と異なっています。では,これはどう考えれば真ん中の「6」が出てくるのでしょうか。それは上の2つの数字の和となっているととらえると説明がつきます。
この段階でこの予想を取り入れておかなければ,次の11の5乗は「繰り上がり」ができてしまうため「161051」となってしまいます。本当のパスカルの三角形では「1510 1051」となって成り立ちますが,11の計算結果だけから進められるのはここまでなのです。
そこで,ここから先は「繰り上がり」があった時は,それを無視して一の位の数字だけをかく,という約束にし,この三角形を「パスカルの三角形」ということを教えました。
この作り方で,さらにピラミットが8段になるまで広げていきました。そうするとたくさんの「1」が見えてくるので,
「この中にある「1」を赤で囲みましょう。」
と指示します。同様に「3」「5」「7」でも同じことを行い,
「囲まれた数字は何個かな。」
とたずねました。子どもたちは一つずつ数える児童と「式」を使う児童がいて,
「この前といっしょの式になる。」
と呟く児童もいました。前時の「シェルピンスキーのガスケット」と同じ位置が赤く囲まれているのが見えてきました。
この後,授業は「9」に話題を転換していきます。「9×9」「99×99」「999×999」「9999×9999」の結果から,「9が9個ある数字同士のかけ算」の結果を予想させました。
9個までの結果を帰納的に眺めると,9や0の数の並びが見えてきます。このような発見をしたところで終了しました。不思議のいっぱい詰まった「数学」の教材ですが,私の展開力不足で,今一つ感動に至ることができませんでした。今後の取り組みを改善していきたいと思います。これはどの学年でも使えそうです。