2020年 早稲田大学高等学院
数学(解答・解説)
それでは、まずは偉人の言葉からです
『……私は数学の専門家で
はなく一人の崇拝者にす
ぎない.学問の中でも最た
るこの美女に惚れ込んだ
失意の男だ.』
(P・ヴァレリ,フランスの詩人,
1871-1945)
2020 早稲田大学高等学院の数学
最後の第4問ですが,大問4題の中で
この第4問が一番厄介です
試験時間50分という中で大問4題、
いずれも中学生の問題としては
超難問だと思います それどころか
早稲田大学・各学部の大学入試を考慮
しても,実は,高校入試にもかかわらず,
早稲田・商に次ぐ難しさだと思います
今回の下の問題は,“高校入試”の問題
ですが、初っ端から戦意を喪失してし
まいそうな出題です まるで,あの
“早稲田・商”の,“高校入試版”のような
感じです“高校の数Ⅰ・数Aぐらいま
では、やっておいてください”という
ようなメッセージに思えますね
下の問題を解いてみて,皆さんはどの
ように御感じになられますでしょうか
それでは、最初は解答を見ずにチャレンジしてみてください。
(問題)
(※時間の目安) (1)①5分 ②7分 ③ (2)5分
(ますいしいの解答)
コメント;(1)“九九表”を題材とした問題ですが、②からやって、
1から81までの数をしらみつぶしに書き出すのが
時短ですね その上で①を調べます
③は、スルーした方も多いと思います
“階乗!”と“指数法則”を使いこなせるようにして
おいた方がよさそうですね
因みに“九九表の総積”は上のように素因数分解
されますが、“九九表の総和=2025”となります
(2)“高校の数Ⅰの2次方程式”はやっておくべきですね
上では、できるだけ詳しく解説しましたが、直観的
に意識できていればよいでしょう
③は、“高校の判別式(=解の公式の√の中)”、
ですが、よく考えたら、設問で2次方程式とは言わ
ずに、“方程式”としか言ってないですね
ちょっと、“一休さんのとんち”のような問題ですね
(※時間の目安) (1)4分 (2)2分 (3)3分 (4)7分
(ますいしいの解答)
コメント;(1)上の〔1〕の式は、高校数学“数Ⅱ・微分法”の接線の
方程式なのですが……その知識のない中学生には
苦肉の策で、“点(a,1/2・a^2)のみを通る直線”と
いうふうな言い方をしているんですね
(2)“傾き√3ときたらx軸となす角60°”と反応しましょう
(3)上の①と②の式を連立するのですが、直ちに、x-√3
なる因数を持つことに反応できると、因数分解できるの
ですが、その辺のところを、きちんとした進学塾などで
あれば指導できているとは思うのですが……
(4)高校入試では超頻出の、いわゆる、
“平行線による三角形の面積の等積移動”
なのですが、y切片に注目して上のように処理するのは
常套手段ですね ただ、かなりの計算力が要求され
ますね 今年の“早稲田大学高等学院数学の数学”
は、50分という時間を考えたら、かなり厳しい……
(※時間の目安) (1)2分 (2)3分 (3)① ②
(ますいしいの解答)
コメント;(1)(球の体積)=4/3・πr^3(積分で導出できます)
因みに、(球の表面積)=4πr^2 (重積分で)ですね
(2)球の平面による切断面は“円”となりますね
Sは、△BDEの内接円の周及び内部ですね
(3)①点Mより平面BDEに下した垂線の足が正方形
AEFBの対角線の交点となりますこの点をK
とすると、線分KPが最大となるとき、すなわち
KP=(△BDEの内接円の直径)となるときです
②これなどは、難関大学理系入試に出題されても
もよいような良問ですね “折れ線”は一直線
に持ち込めというのが鉄則ですね
一応、上のように(中学生流)に簡易的に解いてみま
たが、限られた時間内(50分)に(3)を完答するのは
厳しかったのではないかと思います
かなりの訓練と“高度な空間認識能力”を鍛えないと
いけませんね
実は、上の(3)の①、②は大学入試
としてもよいような難問です
大学入試をされる方もぜひ取り組んで
欲しい問題です
(高校生流)と(中学生流)の2通りで
解いてみました<(_ _)>
とても良問です作問者には敬意を表した
いと思います<(_ _)>
(※時間の目安) (1)3分 (2)10分 (3)1分 (4)5分
(ますいしいの解答)
コメント;厄介な問題でしたね
(1)これは、超頻出で直ちにですね
(2)上のように、“地道に数え上げて”導出しましたが、
何かもっと簡潔な解法があったら御教授ください<(_ _)>
(3)直観的には、直ちにだと思うのですが
(4)これも、直観的には導出できるかもしれませんが、
きちんと解答を作るとなると大変な問題ですね
ますいしいは、“一筆書き”の手法に持ち込んで
みました 有名問題に、“ケーニヒスベルグの橋”
(ケーニヒスベルグは東プロシア・現在のロシア西部
にあり、1736年にオイラーが解決しましたが、
以後トポロジーやグラフ理論などのはしりとなった)
“一筆書きができる条件”は、
①すべての点が偶点
②奇点は2個のみ
で、上の問題は②の場合ということになります
以上で、2020早稲田大学高等学院の数学を見てきましたが、
たいへんな問題のオンパレードでしたね
最後に、下に“解答用紙”をアップしておきます
(配点は、ますいしいが、勝手に考えました)
本番では、
[1](1)①5点 ②6点 ③ (2)
[2](1)~(4) 25点 (頑張って)
[3](1)5点 (2)6点 (3)① ②
[4](1)6点 (2) (3)7点 (4)
50~60点が合格圏内でしょうか
それでは、次回をお楽しみに
by ますいしい
下の書籍は、“計算力”を
身につけるのに、お勧めです