暦の上では、立春ですね
進学や就職の準備で民族大移動する時期にふさわしい歌といえば
太田裕美 木綿のハンカチーフ
就職のため、花のお江戸行き列車に乗った辺境青年
故郷に残して寂しい思いをさせている彼女を想い、都会からの贈り物を考える純朴さ
一方では、確固たる人生目標持たぬまま、親から稼いで仕送りして来い命令の集団就職だった?
職場とフリーな時間関係なく刺激的で愉快な毎日を送るうち
田吾作から都会のイケメンへと都会の絵の具に染められ
自分を見失うまでに魔の都に取り憑かれ、もう二度と大地に足つけた明るい農村青年に戻れない
この歌を聴いて「…か、彼女がカワイソ~」と号泣したおっさんでさえ
別のおっさんいうより爺さん同様、『真理』は心得ていました
「東へと向かう列車に乗ったのが、オトコ。これが、名曲成立の絶対条件やな」
東へと向かう列車に乗ったのが、リンゴほっぺ娘だったら
半年後、音信不通を心配したオトコが自分も東へと向かう列車に乗り、大都会を行方探しの日々
ようやく見つけた時には、ネズミーランドやお台場大好き標準語OLに化けている
標準語イケメン(実は、埼玉や茨城辺りのプチ田吾作隠す系偽装東京男の可能性あり)のみ受け付け
元カレが声かけても、「アナタなんて知らないわよ。失礼ねッ」とキタナイ物見る目を向ける
足がスタスタ向かう先は、特定いる場合は小洒落た料理店へ、フリーの場合は餌食求めて合コンへ
大方はそんなものですよ、オンナなる生き物は、小娘の頃から
元々割り切り早く、それが魔の都にかかってごらんなさい、魔女ぶりに磨きがかかる
甘ったるいメロディーに彩られた悲恋ドラマでさえ…
Parapluies de Cherbourg (Umbrellas of Cherbourg) Fan Trailer
五七年十一月。ジェヌビエーブ(カトリーヌ・ドヌーヴ)はシェルブールの雨傘屋の娘で、近くのガレージに勤める恋人ギイ(ニーノ・カステルヌオーボ)を、深く愛していた。ある日ギイに召集令状が来て、二年間の義務兵役に発つことになった。その夜、二人は求めあった。五七年十二月。雨傘屋の不況で、エムリー夫人(アンヌ・ヴェルノン)は自分の宝石を売ることにした。高級宝石商カサール氏がそれを買いとったのは娘のジェヌビエーブの美しさに魅せられたからだった。五八年一月。ギイからの便りはなかった。そしてジェヌビエーブの体には愛の果実が宿った。彼女がギイを待つ心には、少しの曇りもなかった。そんなとき、カサールはエムリー夫人に、ジェヌビエーブとの結婚を申し込んだ。五八年三月。ジェヌビエーブの心の中に、カサールの姿が少しずつ刻みこまれていった。ギイからは何の音沙汰もないのだ。それにカサールはお腹の子までひきとろうというのだ。五八年六月。カサールとジェヌビエーブは結婚した。五九年三月。ギイが帰って来た。戦闘で負傷した足をひきずって。恋人の結婚を知り、深く悲しんだ。足が不自由な彼は、仕事のミスから失職した。街を歩いても思い出の傘屋もいまは閉じられたまま。孤独が身にしみた……。五九年四月。ギイの育ての母が死んだ。五九年三月。その母の娘マドレーヌとギイは結婚した。いくばくかの遺産で、彼等はガソリン・スタンドを買った。六二年十二月。雪のイヴ。ギイとマドレーヌは子供も出来て幸せだった。その日の暮れ方、ギイ一人が店にいるとき、ベンツが停った。運転している女性がかつての恋人であることをさとった。懐しかった。エムリー夫人は亡くなったという。彼女が車に乗せている女の子を「あなたに似てるわ……」それ以上の言葉は交さなかった。さりげない別れ……いまはギイもジェヌビエーブもそれぞれ幸福なのだ。
( Movie Walker:『シェルブールの雨傘(デジタルリマスター版)』より引用 )
彼女がギイを待つ心には、少しの曇りもなかった?そう思い込んでいただけ
駅での別れ場面、この後の彼女はどういう動きを取ったかというと
列車が遠ざかるや、サッサと背を向け、スタスタ駅を去るのですわ(無意識ながら本性現る)
昔々、1970年代の文献を読んでいる時に知り、後に確認したら、ヲヲッと確かに~
戦争に引き裂かれちゃうと感傷に浸っていただけなんざんしょ
演じたカトリーヌ・ドヌーヴはといえば、当時ようやく20歳の若さながら
~プライベートでは1961年から交際を始めた映画監督のロジェ・ヴァディムとの間に息子クリスチャン・ヴァディム(1963年生まれ)を儲けたが、その後にヴァデムがジェーン・フォンダの元に走ったため、自暴自棄になり衝動的にイギリスの写真家デビッド・ベイリーと1965年に結婚したが、元々ベイリーに愛情を持っていなかったため、結婚生活を維持できなくなり1972年に離婚した。その後に俳優のマルチェロ・マストロヤンニとの間に、娘キアラ・マストロヤンニを儲けている。ヴァディム、マストロヤンニと正式な婚姻関係になることは諸事情の為いずれもかなわなかった。しかし、マストロヤンニとは晩年までキアラ共々交流があり、1996年のマストロヤンニの臨終の時にもキアラと共に立会った。~
( Wikipedia:『カトリーヌ・ドヌーヴ』より引用 )
ヴァディムが、正真正銘の最初のオトコといいます
色気の女神ブリジット・バルドー創り上げた、艶種に事欠かない色事師にかかったら
17歳乙女なんてひとたまりもございませ~ん
Ending of "The Umbrellas of Cherbourg"
「あなたに似てるわ……」なんて暗黙の了解で済む話なのに、わざわざ告げる
…オトコに心理的打撃与えるとしか…ヴァディムへと向けて?
恋が生まれるにはほんのわずかな希望があればよい。
それからニ、三日して希望は消えるかもしれないが、恋が生まれたことには変わりはない。
果敢で、向こう見ずで、激しい性格と、人生の不幸によって豊かになった想像力があれば、
希望はもっと小さくてもよい。
( スタンダールの格言 )


