先日、1人の生徒を卒塾で送り出した。
最初に会った中3の終わり頃、その子は授業が始まるとすぐ寝てしまっていた。
小テストは問題すら読まずに諦めて、0点で持ってきたこともあった。
たぶんそれは、問題を読んだってどうせ分からないっていう悲しさがあったんだと思う。
正直、このままだと難しいかなぁと思ったこともあったけど。
向こうから嫌だって言われない限りは、隣にいて一歩ずつ、一緒に進もうって思ってた。
しばらくたって、「本当に否定されない」って実感してくれたのかな?少しずつ変わりだした。
学校で授業がどこまで進んだか、自分で把握して伝えてくるようになって。
小テストの日程をちゃんと聞いてきて、対策をしたいと言うようになって。
そのうち「自分で解くからヒント言わないで」「解くから待ってて」って言うようになった。
そして時々、びっくりするような鋭い質問やアイデアを出してくる。たぶん本来とても聡明な子なんだな。
それを伝えると、ちょっと照れてちょっと嬉しそうだった。
ターニングポイントって小さないろいろの連続だから、1つだけを挙げるのは難しいけれど。
彼女の決定的な瞬間は「やっぱり、ちゃんといい大学行きたい」って言い出したこと。
その時点での「いい大学」ってたぶん具体的なイメージはなかったと思うけど。
私にはそれは「このまま終わるのは嫌だ。ちゃんと選びたい」って意味に聞こえた。
ほんのちょっと、変わり始めたかな…?くらいの時期だったから、正直いって驚いた。
そんなに強い気持ちが出てきていたのかって。
ほんとに強い「このままじゃ嫌だ!」を感じた。これが出てきたのは、大きかったと思う。
そこから、圧倒的に授業中「寝なくなった」
学校で疲れた時は、帰って昼寝して復活させてるって言ってた。ちゃんと授業やりたくなったんだろうね。
そして行きたい大学ができて、自分で勉強するようになった
最後の授業の日、彼女はすごく丁寧なお手紙をくれた。
私にくれた私信だから、そのままの文は載せないけれど、こんなことを書いてくれていた。
―――――
最初はすぐ嫌になってしまったり寝てしまったりとすごくやる気がなかったにもかかわらず、見捨てず教えてくれてありがとうございました。
おかげで、少しだけ数学をがんばってみようかな、授業ちょっと頑張ってついてってみようかなと思うことができました。
今では、数学を使って大学受験してみたかったなって思えるくらいに数学が好きになれました!
他の数学が苦手な子にもこれからたくさん教えてほしいです。
受験がんばります。
―――――
嬉しすぎるよね。
少し前に、「花粉症になったかも…」って鼻水ズビズビしてたから、邪払のど飴あげたんだ。
アレルギーにいいらしいよって。
お手紙の端っこに「じゃばら なめます!」って書いてあった(笑)
文系志望で高3では数学の授業がなくなるから終了するけど、いい時間を持てたと思う。
ちゃんと役割を完了して、手を離して大丈夫なところまでこれたんじゃないかな。
お母様からは、「先生、文系科目も教えられたら良かったのに」と言われ、
「先生は猫ちゃん好きだから」と猫缶クッキーいただいた。
私からは、馬好きの彼女に神田明神あかりちゃんモチーフの午年限定お守りと、ジンジャーエール(神社声援)をプレゼント。
最後に「良い時間をありがとうね」って握手したら、お母様も「わたしも!」って握手。
保護者さんに握手求められたの初めてだ(笑)
私の仕事は、人生の滑走路みたいなものだなって感じていて。
その滑走路からまた一機、飛び立っていった。
行きたい大学ができて、自分から勉強するようになって。
だからね、案外、大丈夫。
できるよ。
―――その後、お母様からとても嬉しい体験記をいただきました。
松田先生
これまで大変お世話になり本当にありがとうございました。
挫けそうな時にいつも先生に支えていただき成長を見守ってくださり感謝しております。
お会い出来なくなるのはとても寂しいですが、これまでの頑張りを糧に受験にチャレンジしていければと思います。
①最初に感じていたご不安はどんなものでしたか?
数学自体に苦手意識があり諦めかけていた
②いま感じている変化はありますか?
どんどん積極的に分からないところを自分から勉強するようになった
③これまでの感想や同じ悩みを持つ親御さんへ何か一言あれば
松田先生は授業以外の時間でも質問出来る場所を作ってくださり、根気よく娘に付き合って教えてくれましたので、安心してお任せしておりました。
成績も徐々に変化していき苦手だった数学も自発的に学ぶようになりました。
文系科目選択のためお別れはとても寂しいです…本当にこれまでありがとうございました。
先生お身体に気をつけてお仕事続けてくださいね。
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