アドラー心理学を感じる曲「虹色の戦争」(セカオワ)を聴いて、思いをはせてほしい | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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アドラー心理学的な世界観のコラムやエッセイを書いています

今回は、アドラー心理学の 「思い」 を歌っていると、 

私が感じる曲 「虹色の戦争」 を紹介します。 

 

SEKAI NO OWARI (以下、セカオワ) の楽曲です。 

 

セカオワというば、ポップでファンタジックなイメージを 

持っている人も多いかもしれません。 

 

この曲はセカオワがインディーズの頃の楽曲です。

 

 

私はどちらかというと、 

歌詞というよりサウンドを楽しむ傾向があります。 

 

なので、この曲を最初に聴いた時も、 

ポップなサウンドが印象的でした。 

 

サウンドと一緒に歌詞も聴いていたのですが、 

 

歌詞カードでじっくり確認したわけではなかったので、 

全体の歌詞の意味がよく分かりませんでした。 

 

 

 

 

ただ・・・ 

 

「虹色の戦争」 というくらいだから、

 

誰かと誰かが戦っているのだろうな、 

とは思って聴いていました。 

 

とはいうものの、、、

 

一体、誰と誰が戦っているんだろう? 

 

 

なんだかモヤモヤする。 

 

 

そこで、、、 

 

歌詞をじっくり読みました。 

そこで、私は驚きました! 

 

この曲の最後に、 

答えの鍵が歌われていたのです! 

 

次の歌詞です。

 

 

 

青色の空に神様がきて願いを1つ叶えるなら 

僕らの命の炎は消えてしまうのだろう

 

 

 

青色の空 

神様 

願い 

命の炎 

 

 

深瀬さんの文学的な表現の歌詞が心地よく、 

その意味を見逃していました。 

 

最後のここの部分 

「僕らの命の炎は消えてしまうのだろう」 

とてもキレイに表現しています。 

 

ただ、、 

 

ここでいう 「僕ら」 とは、人類全体のことです。 

 

僕ら = 人類全体 

 

の命が消えてしまう。 

 

 

それを誰が願っているのか? 

 

それは、 

 

花や虫、動物といった人間以外の生物全体です。 

 

 

すなわち、この曲のテーマは、 

 

人類 VS (人間以外の)生物 

 

という戦争だったのです。 

 

 

そして、 人間以外の生物全体が、 

神様にたった1つだけお願いをするとしたら、 

 

その願いは、 

 

この世から人間がいなくなること 

 

なのです。 

 

とても深い。 

 

 

軽快でポップなサウンドに乗っていますが、 

このことを、深瀬さんは真摯な姿勢で歌っています。 

 

 

次の歌詞。

 

 

 

虫が叫ぶ平和な世界で僕らは愛を歌っている

虫籠の中で終わりを迎えた 「命」 は僕に何ていうだろう

 

 

 

なんてすごい歌詞でしょうか。 

 

この世に J-POP は

数えきれないほど膨大にあるけど、 

 

虫籠の中の虫の命を、ここまで真剣に心配した歌は

一体どれだけあるだろうか。 

 

しかも国民的ポップスターのセカオワの曲なんです。 

 

次の歌詞も見てください。

 

 

平和に耳があるなら何が聴こえるだろう。

偽物の自由の歌が爆音で聴こえるだろう。 

 

 

 

自由や平和の曲は世界中にあふれていますが、 

 

虫や草、花、動物の自由まで 

高々と宣言している歌はどれだけあるでしょうか。 

 

 

世にあふれる自由の歌を 

 

偽物の自由の歌 

 

と深瀬さんは表現しています。 

 

強烈ですね。 

 

 

パンクの精神 

 

 

私はこの曲を聴いて、 

そんなふうに感じました。 

 

世の中の間違ったことは 

間違っているとハッキリ主張する。 

 

そんなパンクの精神を 

私はセカオワに感じました。 

 

 

 

 

この頃は、バンド名はまだ、

 「世界の終り」 と、日本語表記でした。 

 

セカオワは、メジャーデビューして、 

 

ポップでファンタジックなサウンドへと 

変化を遂げていきます。 

 

バンド名も 

 

SEKAI NO OWARI 

 

と英語表記になり、ソフトになりました。 

 

 

だから、、、

 

セカオワがブレイクしてから 

知った人にとっては、 

 

ポップでファンタジックな国民的バンド 

 

というイメージがあるかもしれない。 

 

「ドラゴンナイト」 がヒットしたときに、 

 

茶髪拡声器で歌っている 

深瀬さんの外見だけを見て 

 

ちゃらい 

 

と悪く言う人たちもいました。 

 

 

だけど、、、 

 

・ 外見だけで判断しないでほしい 

・ ドラゴンナイトの1曲だけ聴いて、音楽性を判断しないでほしい 

 

さらに 

 

・ 深瀬さんの内面を見てほしい 

・ 音楽への真摯な姿勢を見てほしい 

・ リスナーを大切にする深瀬さんの思いを見てほしい 

 

セカオワを批判する人たちに対して、 

私はそんなふうに大きな声で言いたい。 

 

 

セカオワの音楽の内面には、

パンクの精神が宿っている。 

 

決して、ちゃらくないのです。  

 

 

 

 

それで、、、 

 

私はこの曲を聴くと、 

 

アドラー心理学の 「共同体感覚」 のことが思い浮かびます。 

 

 

共同体感覚とは、 

説明するのが難しいのですが・・・ 

 

イメージとしては、 

 

みんなが 「協力的な」 気持ちを持って、 

共同体に対して、

 

「所属している」

「信頼している」

「貢献する」 

 

などを感じていることです。 

 

 

ここで、共同体というのは、 

 

家族、会社、社会 ・・・ 

 

というように、

 

自分が所属している集団で、 

より広い集団を考えていきます。 

 

 

そのような共同体のみんなの幸せを願って、 

アドラーは 「共同体感覚」 という考え方を提唱しました。

 

 

それでは、共同体はどこまで広がるのでしょうか? 

 

 

それは、 

 

地球上の人類全体にまで広がり、

 

さらには、 

 

地球上の生物全体、 

 

そして、 

 

宇宙にまで広がる

 

のです。 

 

 

すなわち、人間社会だけでなく、 

地球上の生物全体の平和のことまで考えているのです。 

 

アドラーが生きていた100年前には、 

今ほど、環境問題が深刻ではありませんでした 

 

にもかかわらず、 

地球全体の幸せを考えていたのです。 

 

 

そう思うと、 、

 

セカオワの 「虹色の戦争」 のテーマは、 

アドラー心理学の共同体感覚の考え方に共通しているのです。

 

 

セカオワが言うように、 

 

人間社会の愛や平和、自由をうたった歌は、 

世の中にいくらでもあります。 

 

しかし、 

 

このような生物全体の視点から、 

ここまで真摯に歌った曲はあまりないのではないでしょうか。 

 

セカオワの 「虹色の戦争」

 

ポップなサウンドの内側には、、、 

 

とても深いテーマが秘められています、 

 

 

あなたもこの曲を聴きながら、 

花や木、草、虫、動物たちに思いをはせてみてはいかがでしょうか。 

 

 

きっと自然の大切さが、胸に満たされると思います。

 

 

 

< 虹色の戦争、 オフィシャルYou Tube から >

 

 

 

 

■ コラム執筆者

 

 

 

松岡学

 

高知工科大学 准教授、

数学者、博士(学術)、三重県出身。

大学で数学の研究や教育に取り組む傍ら、

一般の方々に 「数学の心」 を伝えるため活動している。

 

アドラー心理学への造詣も深く、

数学教育に活かす実践や研究をしている。

 

ファッションを意識し、優しい雰囲気で

数学や心理学を伝えている。

 

音楽を聴くことが趣味で、

自然な生活を心がけている。

 

詳しいプロフィール

 

 

 

■ アドラー心理学的な教育の本

 

子どもの算数力を育てる接し方を、

アドラー心理学にもとづいて書かれています。

 

お母さん、お父さん、教育に関心のある人など、

広く参考となる内容となっています。

 

 

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(アドラー心理学でわかる!)

 

 

 
 

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