交流分析における自我状態とは? | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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精神科医のエリック・バーンは、「自我状態」 という考え方をもとに、
交流分析という分野を築きました。

自我状態とは、

ある瞬間の精神的、身体的体験の全体

のことです。


分かりやすくいえば、

その人の考え方の傾向や性格、気持ちなど

を表しています。


バーンは、大きく分けて3つの自我状態があると考えました。
それぞれ、P、A、C で表します。
 

 


P : 「親」 の自我状態 (Parent)
A : 「成人」 の自我状態 (Adult)
C : 「子ども」 の自我状態 (Child)

 

 

 

 

「親」の自我状態は、親に当たる人から借り入れたものです。

父、母という実際の親であることが多いですが、
祖父、祖母、先生、尊敬している人など、

 

必ずしも実際の親とは限らず、

親に当たる人から過去に受けた影響を表しています。

「成人」の自我状態は、現在の体験を表しています。

「子ども」の自我状態は自身の子ども時代の
体験により得られたものです。


ある瞬間にどれかの自我状態が現れていますが、
自我状態は1つではありません。



あるときは、母親の影響が行動に出たり、
別のときは、尊敬する先生の影響から振舞ったり、

同じ「親」という自我状態でも、
何人もの可能性があります。

このように、自我状態は1だけとは決まっていないので、
自我状態のカテゴリーということもあります。

 


つまり、

その状況に応じて、”親の自我状態のカテゴリー” の中から、
意識的にせよ、無意識的にせよ、

父、母、祖父、祖母、先生、尊敬している人、・・・

などの中から誰かが現れるのです。
 


「子ども」の自我状態も同じで、
3歳のときの体験から得た考え方かもしれないし、
5歳のときの体験かもしれません。

「成人」は、「今、ここ」の意識ですから、
刻々と変わっていきます。

 

 

 


ここで気をつけておかなければいけないのは時間軸です。

というのは、

「親」 と 「子ども」 は、その人が過去に体験したことが、
現在に蓄えられているのです。

「成人」 は、たえず流動している現在の体験なのです。


まとめると、次のようになります。


「親」 ・ ・ ・ 親、または親に相当する人から借り入れたもの
「成人」 ・ ・ ・ たえず流動している現在の体験
「子ども」 ・ ・ ・ 幼児期の体験


これらの3つの自我状態は、
その人の具体的な行動をみることで、観察可能なのです。


内部からも体験できるし、
外部からの観察によってもみることができるのです。

 


 


また、この3種類の自我状態を5つに分けてグラフ化したものが
エゴグラムと呼ばれています。

「親」を2つ、「子ども」を2つにそれぞれ分けて、
次のようになります。


CP : 厳格な親 (Critical Parent)
NP : 保護的な親 (Nurturing Parent)

A : 大人 (Adult)

FC : 自由な子ども (Free Child)
AC : 従順な子ども (Adapted Child)



具体的には、次のような特性があります。

CP : 自分の価値観を正しいと信じて譲らず、
    責任感があり、批判的です。
    父性と見なされています。

NP : 優しく、愛情深い。世話好きで保護的です。
    母性と見なされています。

A : 論理的で知性を重視します。合理的な判断力をします。

FC : 自由奔放で、明るく好奇心旺盛です。
    ユーモアがあり、自己中心性なところがある。

AC : 協調的で他人からの評価を気にする。従順で遠慮がちです。



今回は、交流分析における自我状態についてみてきましたが、

あなたも、普段の生活において、
これらの自我状態を意識してみてはいかがでしょうか?
 

 


人は、どれか1つだけというわけではなく、
ある瞬間や場面によって、
どの自我状態が出てくるのか違います。


ですが、無意識のうちに、
どれかの自我状態が出てくることが多いので、

 

それを意識して、「気づく」 ことが大切なのです。

 


それが好ましい特性ならいいのですが、
好ましくない場合は、気づき、
修正していくことが重要なのです。