ロゴセラピーと主体性 | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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アドラー心理学的な世界観のコラムやエッセイを書いています

オーストリアの精神科医ヴィクトール・フランクルは、
ロゴセラピーという心理療法を提唱しました。

ロゴセラピーとは、

意味(ギリシア語でロゴス)に基づく心理療法(セラピー)

を表した言葉で、

 

「意味による癒し」 と言われています。


それは、自らの 「生の意味」 を見出し、

主体的に生きることで、

心が満たされ、癒されるという考え方なのです。

 

 

フランクルは人生の意味や使命を生きることで、
豊かな人生を送ることができると考えました。


人生の意味は人によって違います。
(これを 「独自性」 といいます)

その人の年齢や時期など、時間によっても違います。
(これを 「一回性」 といいます)


この独自的で一回的の状況で、意味を見出し、
使命をいきることが大切なのです。

 

 

 


たとえば、

 


子どもが小さいときは、
子育てが自分の人生のテーマかもしれません、

子どもが巣立った後は、
仕事が人生のテーマになるかもしれません、

 


このように一生のうちに、
時期や状況により、
いくつかの使命が存在します。


しかも、過ぎ行く時間は戻ることはないので、
その使命は、「その機会」 を逃すと、
もう二度と実現することはないのです。

だからこそ、「今、ここ」で与えられた使命に
全力で取り組むことが大切なのです。


しかし、

うまく人生の意味を見つけられないときも

あるかもしれません。
 

もしくは、


何もかもうまくいかず、
すべてを失って、


「これからどうすればいいんだろう?」


と人生になげきたくなるときも

あるかもしれません。

 

 


私たちは、人生に向き合うときに
どうすればいいのでしょうか?


フランクルは、考え方をガラッと変えるようにいいます。

それは、私たちが人生に

 


「これからどうすればいいんだろう?」


と問いかけるのではなく、

 


人生の方が私たちに


「この状況にどう向き合いますか?」


と問いかけている、

と考えを変えるのです。

 

 

 


そして、

私たち人間は、その問いかけに答えなければならない

といいます。

また、問いかけへの答え方は、考えたり、言葉ではなく、

行動することによって答えなければならない

のです。


つまり、

 

「あなたはどうしますか?」


という人生からの問いかけに対して、

私たちはどのような態度や行動をとるかを考え、
実行しなければならないのです。


フランクルはこのような考えを、

生きる意味についてのコペルニクス的転回

と述べています。

私たちが問いかけるのではなく、
人生に問いかけられていると、
180度方向転換をしなければならないのです。

 

 

 


この考え方に象徴されるように、

 

ロゴセラピーでは、人が自らの意志で態

度や行動を決めるという
主体性が重要であるとされています。

 


受動的な態度ではなく、

主体的に人生と関わることで、

人生を豊かな意味で満たすことができるのです。