古代エジプトの分数 | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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分数の問題を考えてみます。
次の□には、どんな数字が入るでしょうか?

5/6 = 1/□ + 1/□


答えは、

5/6 = 1/2 + 1/3

です。

 


これは何をやっているかというと、

5/6 を分子が1の分数のたし算で表したのです。


実は、
古代エジプトではこのように分数を、
分子が1の分数のたし算で表していたのです。

どういうことかというと、古代エジプトでは、


分子が1の分数は存在したのですが、
分子が1以外の分数や小数は存在しなかったのです。
(例外的に、2/3 を表す記号は存在しました。)


ですから、3/5 を表したいときは、
1/2 + 1/10
と書くしかないのです。
( 1/2 + 1/10 = 3/5 )

 

 


今となっては、ややこしく見えますが、
この方法は中世ヨーロッパまで使われていました。

 

 

そう思うと、

5/6 や 3/5 のように、

普通に分数の記号がある現代は便利だなぁと感じます。

 

なぜなら、 3/5 と見たら、

「5等分したなかの3つ分」

とすぐに分かりますが、

 

1/2 + 1/10 と言われても、分かりにくいですよね。

 

 

 

 

古代エジプトでは、パピルスという草の繊維から作った紙を使っていました。

 

英語で紙のことを 「ペーパー」 といいますが、

これはエジプトの 「パピルス」 からきているのです。

 

 

 

 

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